友達になった人気者が、人間じゃなかった話

 そもそも、〝普通〟って一体なんなんだ。
 僕はどうなりたかったんだ。これから、どうなりたいんだ。

「あは。見て久世くん、鯉すっごいビチビチしてる」

 橋を渡り終える頃、橋脚に集まる鯉を指差して笑った清永の様子は、女子ふたりの視線をものともせずにあくびをしたときと同じだった。誰の目も気にせず、ただ隣の僕となにげない話をしている、普通の高校生だ。

 思わず目を細めた。
 清永は眩しい。この人が皆の視線を集める理由が、なんとなく分かった気がした。