ずっとそうやって生きてきた。
けれど、清永は僕の話を疑っていない。引きもしていない。失望も浮かべないし、嘲笑いもしない。
清永のことをもっと知りたい。もっと話したい。
他人との深い交流を避けてきたのに、今の僕は、そんな馬鹿げたことを当たり前のように考えている。
本当に、どうしてしまったんだろう、僕は。
「……そろそろ」
「え?」
「帰ろっか。無理に付き合わせてごめんね、早く帰りたそうにしてたのに」
早く帰りたそうにしてた……なんの話だ、と一瞬訝しく思う。
そうしてから、あぁそういえば武田と中野の誘いをうまく断れなくて、それでこんなことになったんだっけ、と思い出した。
「なんか用事、あったんじゃないの?」
「いや。人が多い場所で俯かなくていいなら、好きなだけきょろきょろして帰れるかもって思って」
隠しても仕方がないかと、正直に事情を伝える。
すると、清永はぽかんと口を開けて固まってしまった。いつもビジュアルのいい清永らしくない、珍しい顔だ。
「それだけ?」
「え、うん」
そんな間抜けな顔もできるのか、と意外に感じながら答える。
拍子抜けしたとばかりに目を瞬かせた清永は、ほどなくして「あは」と軽やかに笑い出した。
けれど、清永は僕の話を疑っていない。引きもしていない。失望も浮かべないし、嘲笑いもしない。
清永のことをもっと知りたい。もっと話したい。
他人との深い交流を避けてきたのに、今の僕は、そんな馬鹿げたことを当たり前のように考えている。
本当に、どうしてしまったんだろう、僕は。
「……そろそろ」
「え?」
「帰ろっか。無理に付き合わせてごめんね、早く帰りたそうにしてたのに」
早く帰りたそうにしてた……なんの話だ、と一瞬訝しく思う。
そうしてから、あぁそういえば武田と中野の誘いをうまく断れなくて、それでこんなことになったんだっけ、と思い出した。
「なんか用事、あったんじゃないの?」
「いや。人が多い場所で俯かなくていいなら、好きなだけきょろきょろして帰れるかもって思って」
隠しても仕方がないかと、正直に事情を伝える。
すると、清永はぽかんと口を開けて固まってしまった。いつもビジュアルのいい清永らしくない、珍しい顔だ。
「それだけ?」
「え、うん」
そんな間抜けな顔もできるのか、と意外に感じながら答える。
拍子抜けしたとばかりに目を瞬かせた清永は、ほどなくして「あは」と軽やかに笑い出した。



