思わず胡乱な目で見つめると、ひそめられた清永の声が緩く耳を掠めた。
「でも、これってかなり悪趣味なモノだよな。ぶっちゃけ要るか要らないかで考えたら普通は要らないだろうなっていうか」
心の中を覗かれているのかと不安になるような話題を振られ、居心地が悪くなる。
同時に、やはり清永は僕の力を〝要る〟と考えているんだな、と思う。そういうニュアンスの口ぶりだった。
「ていうか、だからあんなに落ち着いてたんだなぁ、昨日の久世くん」
「は?」
「渋谷さんは絶対死なないって最初から分かってたんでしょう? でもさすがに誰にも言えないよな、そんなこと」
にい、と目を細めて微笑む清永から、僕は露骨に目を逸らした。
こいつのこの笑い方が苦手だ。昨日も見た。弧を描いて不気味な微笑みを湛える双眸を見ていたくないのに、どうしても目が離せなくなる。形の良い瞼の奥で、あり得ないほどぎらぎらと黒目が光って見える。
この笑みを浮かべているときの清永は、人ではないなにかに見える。
人の皮を被った、あるいは人の形を精巧に真似た、人以外のなにかに。
「でも、これってかなり悪趣味なモノだよな。ぶっちゃけ要るか要らないかで考えたら普通は要らないだろうなっていうか」
心の中を覗かれているのかと不安になるような話題を振られ、居心地が悪くなる。
同時に、やはり清永は僕の力を〝要る〟と考えているんだな、と思う。そういうニュアンスの口ぶりだった。
「ていうか、だからあんなに落ち着いてたんだなぁ、昨日の久世くん」
「は?」
「渋谷さんは絶対死なないって最初から分かってたんでしょう? でもさすがに誰にも言えないよな、そんなこと」
にい、と目を細めて微笑む清永から、僕は露骨に目を逸らした。
こいつのこの笑い方が苦手だ。昨日も見た。弧を描いて不気味な微笑みを湛える双眸を見ていたくないのに、どうしても目が離せなくなる。形の良い瞼の奥で、あり得ないほどぎらぎらと黒目が光って見える。
この笑みを浮かべているときの清永は、人ではないなにかに見える。
人の皮を被った、あるいは人の形を精巧に真似た、人以外のなにかに。



