清永はどこにいても目立つ。
いくら人気のない場所だといっても、ここだっていつ誰が通りかかるか分からない。だからさっさと話を終わらせたいのに、清永は無駄に呑気で、余計に焦ってしまう。
苛々する。
家族にさえ打ち明けていない僕の秘密を共有するに足る信用が、こいつにはない。
「その意味を説明してくれ、早く」
「ん~、説明って言われてもなぁ。あ、そうだ」
僕の苛立ちを感じ取ったのか、笑みを引っ込めて眉尻を下げた清永は、次には〝閃いた!〟とばかりに目を輝かせた。
昨日も見たなその顔、とますます苛立ってしまう。
「昨日の放課後、俺、渋谷さんのお見舞いに行ってきたんだよね」
「……へえ」
「大丈夫そうだったよ。いや、足とか骨折してたし顔もまだ腫れてて、かなり痛そうではあったかな、けど」
ペラペラと喋り始めた清永の喉を眺めながら、なんの話だ、と眉が寄る。
別に僕はお喋りがしたくて声をかけたわけではない、要点をかいつまんで話せ、という内心が思いきり顔に出た。
途端に、清永の両目がすっと細められ、ぎくりと背筋が強張る。
いくら人気のない場所だといっても、ここだっていつ誰が通りかかるか分からない。だからさっさと話を終わらせたいのに、清永は無駄に呑気で、余計に焦ってしまう。
苛々する。
家族にさえ打ち明けていない僕の秘密を共有するに足る信用が、こいつにはない。
「その意味を説明してくれ、早く」
「ん~、説明って言われてもなぁ。あ、そうだ」
僕の苛立ちを感じ取ったのか、笑みを引っ込めて眉尻を下げた清永は、次には〝閃いた!〟とばかりに目を輝かせた。
昨日も見たなその顔、とますます苛立ってしまう。
「昨日の放課後、俺、渋谷さんのお見舞いに行ってきたんだよね」
「……へえ」
「大丈夫そうだったよ。いや、足とか骨折してたし顔もまだ腫れてて、かなり痛そうではあったかな、けど」
ペラペラと喋り始めた清永の喉を眺めながら、なんの話だ、と眉が寄る。
別に僕はお喋りがしたくて声をかけたわけではない、要点をかいつまんで話せ、という内心が思いきり顔に出た。
途端に、清永の両目がすっと細められ、ぎくりと背筋が強張る。



