友達になった人気者が、人間じゃなかった話

「たまに話すよ。同じクラスなんだ、清永」

 親友なんだ、と明かす勇気を持てない自分に嫌気が差した。

 清永が自分から打ち明けずにいる話を人づてに聞き出そうとするのは良くないのでは、と思う。
 でも気になる。
 清永について、もっと言うなら清永の異常について、大苑くんはなにか詳細を知っている可能性がある。

 拳を握り締めた僕の向かいで、大苑くんは、話が通じることにほっとした様子で頬を緩めてみせた。

「ああ、そうなんだ? 良かった、今は元気なんだね清永くん」

 今〝は〟という言い方が、僕の胸を一層激しく高鳴らせる。
 僕の知らない清永の異常の核心へ、大苑くん越しに近づける気がしてならなかった。

「中学の頃は元気じゃなかったのか、あいつ?」

 気が逸る。僕の問いかけは先急ぎすぎている、そういう自覚が痛いほどある。
 それなのに止まれない。清永に普通のままでいてほしい、というのは僕のエゴだ。けれど僕は、そのエゴを貫いてでも清永と一緒にいたい。

 清永が化け物ではない証明が欲しかった。
 たとえそれを求めたせいで、清永が人間ではないと確定してしまうとしても。