友達になった人気者が、人間じゃなかった話

「俺のこと、まだ普通の人間だって思ってる?」

 は、と掠れた吐息が漏れる。
 清永からそういう話を振られるのは初めてだった。しかも今の訊き方は、僕の意図を確認したがっている訊き方ではなかった。〝そんなわけないよな、お前だってもう知ってるはずだ〟と言わんばかりで、なおさら返答に迷う。

 戸惑う僕がひと声も発せずにいるうち、清永の、どこかぼんやりとした声が続いてしまう。

「人間って皆、こんな感情抱えて生きてるのか、こんな爆弾みたいなもの、ずっと」
「え……?」
「なんで俺がこんなもの抱えてる、葉月も俺に抱えてくれてるのか、抱えててほしい、同じなら大丈夫なのにもし俺だけ違ったら」

 独り言じみている。
 僕に話しかけているときとは明らかに違う、自分で自分の考えを確認しているかのような――朝もそうだった。

「同じがいい。なぁ葉月、同じになってほしい、俺と」

 最後のひと言が、やっと僕に矛先を向けてきて、僕はとうとう清永に目を向けざるを得なくなる。

 目が合うや否や、清永の形が大きく歪んだ。