友達になった人気者が、人間じゃなかった話

 心からの本音だった。でも、清永の目を見て言い放つことはできなかった。
 普通のままでいてほしい――だから化け物になるな、輪郭を崩すな、ちゃんと人の形のままでいろ。そう強制している気分になる。

 これでは、僕はありのままの清永なんか受け入れられない、と声を大にして言っているようなものだ。

 なにより、清永から〝普通じゃなくていい〟と言ってもらえて救われた僕が、他でもない清永に『普通のままでいてほしい』なんて言ってしまった。
 自分のことはありのまま受け入れてもらっておいて、あまりにも不誠実だ。

 すべてを見透かされている気がしてたまらなくなる。
 だって清永は普通じゃない。

 たぶん、人じゃない。

「……葉月は」

 目が合わない中、清永の声が耳に入り込んでくる。
 ぼうっとした声だった。胸に広がり続けているぞわぞわとした不穏が、その声のせいで一層幅を利かせてくる。

 輪郭の件を抜きにしても、最近の清永は、絶対に変だ。