〇家庭科室・四時限目
体操服に着替えた伊織は、流しでお湯に浸かった制服を見つめ、困惑している。
制服を洗うのは高松。その横で不安げな表情で見守るアンナ。
伊織(どうしよ……いつもぼっちだったから、この状況に付いていけない)
高松はニコリと笑って言った。
高松「家庭科室はお湯が出るんだぜ」
伊織「そ、そっか」
伊織(そんなことは聞いてない。聞きたいのはただ一つ。何で無能の私に構ってんの? しかも、よりによってこんな不良みたいな男の子)
アンナ「でも、ちゃんと取れるかな。取れなかったらどうしよ……」
伊織「取れなくても良いよ。どうせ私……」
俯く伊織に、二人は黙ってしまった。
それでも、高松はどこから調達してきたのか、洗濯洗剤をお湯の中に垂らして手洗いし始めた。
伊織「ごめん。私のなのに、自分でするよ」
高松「直接洗剤触ったら手も荒れるしさ、俺がするから心配すんな」
アンナ「高松君って、顔に似合わず優しいんだね」
高松「なんか、不良が人に優しくすると、普通の人の三倍優しく見えるらしいぜ。好感度アップ的な」
アンナ「へぇ、もしかして、計算でそんな恰好してんの?」
高松「へへへ、どうだろうな」
どっちつかずな笑みを見せる高松。
伊織がクスリと笑った。※マスク越しなので、二人に表情は見えない。
高松「うわ、神崎、今笑っただろ」
伊織「え、笑ってないよ」
しらを切る伊織。
高松「絶対今、笑ったって。なぁ、椎名」
アンナ「え、どうだろ。てか、私の名前知っていることにびっくりなんだけど」
高松「は? クラスメイトの顔と名前くらい誰でも覚えてるだろ。なぁ、神崎」
伊織「え、わ、私……」
伊織(どうしよ。どっちも知らないや)
動揺する伊織を二人はきょとん顔で見てきた。
高松「もしかしてさ、神崎って……俺の名前知らない?」
アンナ「え、もしかして、私のことも?」
伊織は申し訳なさそうにこくりと頷いた。
高松「マジかぁ。俺さ、何回も神崎の隣の席になったことあるんだけど」
伊織「そうだっけ?」
アンナ「私なんて、修学旅行一緒の班だったよ」
伊織(確かに、なんかお節介な子がいたような……いなかったような)
〇回想中
モノローグ『ひと月前の修学旅行――――』
アンナ「ねぇねぇ、神崎さんは、何食べたい?」
伊織「何でも良い」
アンナ「ねぇねぇ、神崎さんは、次、どこ行きたい?」
伊織「みんなに合わせる」
アンナ「神崎さん、ここからの景色綺麗だよ。こっちおいでよ」
伊織「私、高いところ苦手だから」
〇現実に戻る。
伊織(もしかして、あれは善意で言っていたのかな。全部嫌がらせに聞こえていた。それに、クラスメイト全員敵だと思っていたから、顔なんて覚えてないし、名前なんてもっと興味なかった)
伊織は、照れたように聞いてみる。
伊織「ごめん。名前、聞いても良い?」
高松「高松だよ。高松幸次」
アンナ「私は、椎名アンナ。アンナちゃんって呼んでね」
高松「ちゃん付け強制かよ」
アンナ「だって、アンナってさ、呼び捨てだとキツい感じしない? ”ちゃん”を付けた方が可愛いし」
高松「へぇ、そういうもんか」
伊織「アンナちゃんに、高松……君」
クラスメイトの名前を呼べる日が来るとは思わなかった伊織は、何だか胸がポカポカした気持ちになった。
高松「あ、良い感じかも」
高松がプリーツスカートを固く絞ってパッと広げた。
アンナ「本当だ。すごーい。けど、何だか、高松君変態みたい」
伊織「確かに……」
伊織とアンナに白い目で見られた高松は、顔を真っ赤にさせながらスカートを机の上に置き、次はブレザーを揉み洗いし始める。
高松「綺麗にしたんだから、そこは『ありがとう』だろ。変態ってなんだよ」
ムスッとしながら呟く高松に、伊織はクスッと笑って微笑んだ。※マスク越しだが、しっかりと目を見て笑う。
伊織「ありがとう」
高松「……」
高松が固まった。伊織は不思議そうに首を傾げる。
伊織「どうかした?」
すると、高松の真っ赤だった顔が、更に真っ赤になった。
アンナ「もう、神崎さんって面白いね」
伊織「え? 何?」
アンナ「ふふふ、春だねぇ」
伊織「もうすぐ冬だよ? アンナちゃんの方が面白いよ」
アンナ「ねぇ、もうすぐお昼休みだけど、このまま三人で食べない?」
伊織「え……でも、私と一緒にいると」
アンナ「虐められても良いよ。私だって無能だし」
高松も洗濯する手を動かしながら、うんうんと頷いた。
高松「俺は異能持ってるけどな」
伊織「え!? 本当に!?」
高松は、どや顔で言った。
高松「どこでも寝られるっていう異能持ってるんだぜ」
伊織「へぇ、すごい。高松君の家系も龍神様と関係あるの?」
突っ込まれると思っていた高松は、返す言葉に困る。
アンナ「もう、高松君。神崎さんを見たら分かるでしょ。冗談通じないよ」
伊織「え、冗談……?」
高松「悪い。無かったことにしてくれ」
アンナ「神崎さん、こういうタイプの人の話は、半分信じない方が良いって思っといた方が良いよ」
伊織「分かった」
高松「いや、半分は言い過ぎだろ。てか、俺ら初めて喋るのに、何分かったような口聞いてんだよ」
アンナ「だって、見るからにそうじゃん」
高松「うわ、偏見やべぇ」
伊織は、二人を見て世界が広がった気がした。
モノローグ『私が勝手に壁を作っていただけで、世界にはもっと私の味方はいるのかもしれない』『ここにいる二人もそうだけど、夾さんだって――――』
夾が伊織に手を差し伸べる姿を思い浮かべる。
伊織(どうしよ。夢の中で抱き合っちゃった)※回想(伊織の夢の中で、夾と伊織が抱き合うシーン)
夢の中の出来事を思い出し、熱くなる頬をマスク越しに押さえる伊織だが、自然と顔が緩む。
伊織(夾さん。今頃、どこで何してるんだろう……)
〇家庭科室の窓の外
一階にある家庭科室の窓の外で夾が中を覗いている。※人間の姿。
家庭科室の窓は少しだけ開けられており、夾はそこから聞き耳を立てていた。
夾(あー、何でかな。苛々する)
快晴だった空に、どこからともなく雨雲が出現し始める。
夾(曇った顔の伊織より、笑顔の伊織の方が良いのは分かってる。分かってるんだけど……)
雨が降り出し、雷も鳴り始める。
夾「その笑顔、僕にだけ向けてくれないかな……なんてね。僕、何言ってるんだろ」
小さく呟けば、伊織が窓の方を向いた。
伊織「夾……さん?」
夾(やばッ)
咄嗟に座って窓の下に隠れる夾。
高松「神崎? どうかした?」
伊織「いや、今、声がしたような」
アンナ「声? 雷の音じゃない? まだ授業中だし」
伊織「そうかな?」
伊織(こんなところに、夾さんがいるわけないよね)
モノローグ『それでも、何となく私の声が夾さんに届くような気がした』
伊織「今日は、カレーライス作ろうと思います」
夾(カレーライスって、何だっけなぁ。あの白いの? いや、黒いのだったか……)
そして、中にいる高松とアンナは不思議そうな顔で伊織を見る。
高松「それ、何宣言? でも、カレーうまいよな。俺、ビーフ派」
アンナ「私チキン。あ、でもシーフードも捨てがたい」
伊織「うん。うちもシーフードだよ」
伊織(でも、これを最後にしよ。そうしないと、私だけじゃなくて、夾さんにも迷惑が掛かるから)
〇回想中
第四話の桜が伊織に頭から水をぶっかけるシーン。
伊織が落ちたてんぷらを手で拾って食べるシーン。
〇現実に戻る。
伊織(夾さんには、あそこまでしないかもだけど、それでも誰かが傷付くところは見たくない。夾さんとは、サヨナラしよう)
儚げに窓の外を眺める伊織。
高松は、洗っていたブレザーをスカート同様に固く絞って広げた。
高松「よし! こんなもんだろ」
伊織「ありがとう」
アンナが高松からブレザーを受け取り、ハンガーにかける。それを少し窓を開けておいたところの前にあるラックに引っ掛けた。
伊織「でも、雨も止みそうにないし、帰るまでには乾かないね」
伊織(晴れてても生乾きは覚悟してたけど)
夾(雨?)
伊織に言われて、夾は天を見上げた。
夾(わ、今日はずっと快晴のはずなのに、いつの間に。また小龍に小言言われそう)
モノローグ『天候は自在に操れる』『しかし、時に感情が高ぶると気候が変動することがある』『むやみやたらに変動したら困るので、感情のコントロールも自己管理の一つ』
夾が目を瞑ると空がポゥっと光った。
自然と雨がやみ、雨雲が消える。そして、太陽の光がさして、虹が見えた。
アンナが窓を全開にした。
アンナ「わぁ、虹だ。綺麗」
伊織「本当だね」
二人で感嘆の声を漏らせば、高松がニヤリと笑った。
高松「俺、良いこと思いついた」
伊織「良いこと……?」
高松は、片目を瞑り、人差し指を口の前でシーッというポーズを取った。
高松「まだ、内緒」
夾(ん? この男、どこかで見覚えが……)
体操服に着替えた伊織は、流しでお湯に浸かった制服を見つめ、困惑している。
制服を洗うのは高松。その横で不安げな表情で見守るアンナ。
伊織(どうしよ……いつもぼっちだったから、この状況に付いていけない)
高松はニコリと笑って言った。
高松「家庭科室はお湯が出るんだぜ」
伊織「そ、そっか」
伊織(そんなことは聞いてない。聞きたいのはただ一つ。何で無能の私に構ってんの? しかも、よりによってこんな不良みたいな男の子)
アンナ「でも、ちゃんと取れるかな。取れなかったらどうしよ……」
伊織「取れなくても良いよ。どうせ私……」
俯く伊織に、二人は黙ってしまった。
それでも、高松はどこから調達してきたのか、洗濯洗剤をお湯の中に垂らして手洗いし始めた。
伊織「ごめん。私のなのに、自分でするよ」
高松「直接洗剤触ったら手も荒れるしさ、俺がするから心配すんな」
アンナ「高松君って、顔に似合わず優しいんだね」
高松「なんか、不良が人に優しくすると、普通の人の三倍優しく見えるらしいぜ。好感度アップ的な」
アンナ「へぇ、もしかして、計算でそんな恰好してんの?」
高松「へへへ、どうだろうな」
どっちつかずな笑みを見せる高松。
伊織がクスリと笑った。※マスク越しなので、二人に表情は見えない。
高松「うわ、神崎、今笑っただろ」
伊織「え、笑ってないよ」
しらを切る伊織。
高松「絶対今、笑ったって。なぁ、椎名」
アンナ「え、どうだろ。てか、私の名前知っていることにびっくりなんだけど」
高松「は? クラスメイトの顔と名前くらい誰でも覚えてるだろ。なぁ、神崎」
伊織「え、わ、私……」
伊織(どうしよ。どっちも知らないや)
動揺する伊織を二人はきょとん顔で見てきた。
高松「もしかしてさ、神崎って……俺の名前知らない?」
アンナ「え、もしかして、私のことも?」
伊織は申し訳なさそうにこくりと頷いた。
高松「マジかぁ。俺さ、何回も神崎の隣の席になったことあるんだけど」
伊織「そうだっけ?」
アンナ「私なんて、修学旅行一緒の班だったよ」
伊織(確かに、なんかお節介な子がいたような……いなかったような)
〇回想中
モノローグ『ひと月前の修学旅行――――』
アンナ「ねぇねぇ、神崎さんは、何食べたい?」
伊織「何でも良い」
アンナ「ねぇねぇ、神崎さんは、次、どこ行きたい?」
伊織「みんなに合わせる」
アンナ「神崎さん、ここからの景色綺麗だよ。こっちおいでよ」
伊織「私、高いところ苦手だから」
〇現実に戻る。
伊織(もしかして、あれは善意で言っていたのかな。全部嫌がらせに聞こえていた。それに、クラスメイト全員敵だと思っていたから、顔なんて覚えてないし、名前なんてもっと興味なかった)
伊織は、照れたように聞いてみる。
伊織「ごめん。名前、聞いても良い?」
高松「高松だよ。高松幸次」
アンナ「私は、椎名アンナ。アンナちゃんって呼んでね」
高松「ちゃん付け強制かよ」
アンナ「だって、アンナってさ、呼び捨てだとキツい感じしない? ”ちゃん”を付けた方が可愛いし」
高松「へぇ、そういうもんか」
伊織「アンナちゃんに、高松……君」
クラスメイトの名前を呼べる日が来るとは思わなかった伊織は、何だか胸がポカポカした気持ちになった。
高松「あ、良い感じかも」
高松がプリーツスカートを固く絞ってパッと広げた。
アンナ「本当だ。すごーい。けど、何だか、高松君変態みたい」
伊織「確かに……」
伊織とアンナに白い目で見られた高松は、顔を真っ赤にさせながらスカートを机の上に置き、次はブレザーを揉み洗いし始める。
高松「綺麗にしたんだから、そこは『ありがとう』だろ。変態ってなんだよ」
ムスッとしながら呟く高松に、伊織はクスッと笑って微笑んだ。※マスク越しだが、しっかりと目を見て笑う。
伊織「ありがとう」
高松「……」
高松が固まった。伊織は不思議そうに首を傾げる。
伊織「どうかした?」
すると、高松の真っ赤だった顔が、更に真っ赤になった。
アンナ「もう、神崎さんって面白いね」
伊織「え? 何?」
アンナ「ふふふ、春だねぇ」
伊織「もうすぐ冬だよ? アンナちゃんの方が面白いよ」
アンナ「ねぇ、もうすぐお昼休みだけど、このまま三人で食べない?」
伊織「え……でも、私と一緒にいると」
アンナ「虐められても良いよ。私だって無能だし」
高松も洗濯する手を動かしながら、うんうんと頷いた。
高松「俺は異能持ってるけどな」
伊織「え!? 本当に!?」
高松は、どや顔で言った。
高松「どこでも寝られるっていう異能持ってるんだぜ」
伊織「へぇ、すごい。高松君の家系も龍神様と関係あるの?」
突っ込まれると思っていた高松は、返す言葉に困る。
アンナ「もう、高松君。神崎さんを見たら分かるでしょ。冗談通じないよ」
伊織「え、冗談……?」
高松「悪い。無かったことにしてくれ」
アンナ「神崎さん、こういうタイプの人の話は、半分信じない方が良いって思っといた方が良いよ」
伊織「分かった」
高松「いや、半分は言い過ぎだろ。てか、俺ら初めて喋るのに、何分かったような口聞いてんだよ」
アンナ「だって、見るからにそうじゃん」
高松「うわ、偏見やべぇ」
伊織は、二人を見て世界が広がった気がした。
モノローグ『私が勝手に壁を作っていただけで、世界にはもっと私の味方はいるのかもしれない』『ここにいる二人もそうだけど、夾さんだって――――』
夾が伊織に手を差し伸べる姿を思い浮かべる。
伊織(どうしよ。夢の中で抱き合っちゃった)※回想(伊織の夢の中で、夾と伊織が抱き合うシーン)
夢の中の出来事を思い出し、熱くなる頬をマスク越しに押さえる伊織だが、自然と顔が緩む。
伊織(夾さん。今頃、どこで何してるんだろう……)
〇家庭科室の窓の外
一階にある家庭科室の窓の外で夾が中を覗いている。※人間の姿。
家庭科室の窓は少しだけ開けられており、夾はそこから聞き耳を立てていた。
夾(あー、何でかな。苛々する)
快晴だった空に、どこからともなく雨雲が出現し始める。
夾(曇った顔の伊織より、笑顔の伊織の方が良いのは分かってる。分かってるんだけど……)
雨が降り出し、雷も鳴り始める。
夾「その笑顔、僕にだけ向けてくれないかな……なんてね。僕、何言ってるんだろ」
小さく呟けば、伊織が窓の方を向いた。
伊織「夾……さん?」
夾(やばッ)
咄嗟に座って窓の下に隠れる夾。
高松「神崎? どうかした?」
伊織「いや、今、声がしたような」
アンナ「声? 雷の音じゃない? まだ授業中だし」
伊織「そうかな?」
伊織(こんなところに、夾さんがいるわけないよね)
モノローグ『それでも、何となく私の声が夾さんに届くような気がした』
伊織「今日は、カレーライス作ろうと思います」
夾(カレーライスって、何だっけなぁ。あの白いの? いや、黒いのだったか……)
そして、中にいる高松とアンナは不思議そうな顔で伊織を見る。
高松「それ、何宣言? でも、カレーうまいよな。俺、ビーフ派」
アンナ「私チキン。あ、でもシーフードも捨てがたい」
伊織「うん。うちもシーフードだよ」
伊織(でも、これを最後にしよ。そうしないと、私だけじゃなくて、夾さんにも迷惑が掛かるから)
〇回想中
第四話の桜が伊織に頭から水をぶっかけるシーン。
伊織が落ちたてんぷらを手で拾って食べるシーン。
〇現実に戻る。
伊織(夾さんには、あそこまでしないかもだけど、それでも誰かが傷付くところは見たくない。夾さんとは、サヨナラしよう)
儚げに窓の外を眺める伊織。
高松は、洗っていたブレザーをスカート同様に固く絞って広げた。
高松「よし! こんなもんだろ」
伊織「ありがとう」
アンナが高松からブレザーを受け取り、ハンガーにかける。それを少し窓を開けておいたところの前にあるラックに引っ掛けた。
伊織「でも、雨も止みそうにないし、帰るまでには乾かないね」
伊織(晴れてても生乾きは覚悟してたけど)
夾(雨?)
伊織に言われて、夾は天を見上げた。
夾(わ、今日はずっと快晴のはずなのに、いつの間に。また小龍に小言言われそう)
モノローグ『天候は自在に操れる』『しかし、時に感情が高ぶると気候が変動することがある』『むやみやたらに変動したら困るので、感情のコントロールも自己管理の一つ』
夾が目を瞑ると空がポゥっと光った。
自然と雨がやみ、雨雲が消える。そして、太陽の光がさして、虹が見えた。
アンナが窓を全開にした。
アンナ「わぁ、虹だ。綺麗」
伊織「本当だね」
二人で感嘆の声を漏らせば、高松がニヤリと笑った。
高松「俺、良いこと思いついた」
伊織「良いこと……?」
高松は、片目を瞑り、人差し指を口の前でシーッというポーズを取った。
高松「まだ、内緒」
夾(ん? この男、どこかで見覚えが……)



