上級生についていくなほちゃんの姿を見て、僕もあんな風に小さい頃があったんだな、と感じる。
成長って、見ている側からすると感動するのに、当事者になると何の感動もなくなるのは、どうしてなんだろう。
僕は自分の成長なんて考えたこともなく生きてきた。人間は、考えるのかな?
誰かと話して、何かを食べて、寝て。
そんな単純な生活をしている僕でも、成長できているのだろうか。
でも、もし成長できているとするならば。
最も影響しているのは、誰かと話すことだと思う。
人間や猫でなくても、話し相手なんかそこらじゅうにいる。
僕の隣にはポストがいるし、後ろには菜の花がいるし、下には地面が、上には空がいる。
それでもやっぱり、僕は話してくれる何かと話すのが好き。
なぜだろう。返事が返ってくるから?
でも、僕は言葉を知らないから、返事はできないよね。
あれ。
じゃあ、僕と話してくれる人間って、僕と一緒にいて楽しいのかな?
でも、僕と話をした人たちって、みんな笑顔で、またどこかへ行く。
言葉を知らないからわからないけれど、僕と話した人が、みんな幸せならいいや。