僕、ずっと海を見てた?
確かに、さっきまで僕はぼーっとしていたような。
「みーんな、悩みがあるんだね。人間も猫も」
おばあちゃんは深呼吸をした。ゆっくり息を吐くときの顔は、なんとも爽やかだった。
さっきまで暗い顔だったのに、どうして?
でも、そうだよ。僕たち猫にだって、悩みがあるんだよ。
悩みがあるから、強くなれるし、優しくなれるんじゃない?
「さあ、今度はあたしが聞いてあげるよ。ぽすちゃん、なんでも言ってみな!」
ええ、急に言われてもなあ。
僕は目をしゅぱしゅぱとさせて、おばあちゃんに悩みを伝えたつもりだった。
しかし、おばあちゃんは、
「なんだい、ボス猫に餌をとられちゃうって?」
と、全く関係のないことを言い出した。
おばあちゃん、違うよ。僕は、煮干しの頭が食べられないのをどうにかしたい、って言ったのに。
「大丈夫!とられそうになったら、あたしに声をかけるんだ。ぽすちゃんの餌だよって言って、追い払ってやるよ」
おお、これは心強い!まあ、悩みは違うけど。
朝日が昇ってきた頃、おばあちゃんと僕は、一緒に海を見つめた。
人間って、僕たちよりも色々なことを知ってるんだね。物知りでかっこいい。
でも、だから悩んだり、落ち込んだりしちゃうのかな?
僕にはよくわからない。
いつか知りたいな。たくさんの人と話せば、だんだんわかってくるのかな。
太陽は、白く燃えていた。それに応えるように、海もきらめきを増していた。
僕だってきらきらに、と思い、少し姿勢を正してみる。
おばあちゃんは、そんな僕には気がついていないようだった。
しばらくして、おばあちゃんとのお別れの時間になった。
「ぽすちゃん、今日は色々ありがとうね」
僕も、楽しかったよ。アキちゃんが無事だといいね。
「じゃあ、またね」
「にゃあ」
また話そうね。
おばあちゃんは、ゆっくりと歩きながら、家へ帰っていった。
しばらくして、辺りが明るくなると、子供たちが僕のもとへやってきた。
登校中なのにこんなに元気なのはすごいな、といつも思う。僕も、みんなからパワーをもらっている。
今日も元気に行ってらっしゃい、みんな。
「ぽすちゃんバイバイ!」
「今度、図工の授業でぽすちゃん描くね!」
僕を描いてくれるの?すごく楽しみ。完成したら見せてほしいな。
「ぽすちゃーん!」
中学生、自転車に乗ってても僕に声をかけてくれるんだよね。優しいな。
確かに、さっきまで僕はぼーっとしていたような。
「みーんな、悩みがあるんだね。人間も猫も」
おばあちゃんは深呼吸をした。ゆっくり息を吐くときの顔は、なんとも爽やかだった。
さっきまで暗い顔だったのに、どうして?
でも、そうだよ。僕たち猫にだって、悩みがあるんだよ。
悩みがあるから、強くなれるし、優しくなれるんじゃない?
「さあ、今度はあたしが聞いてあげるよ。ぽすちゃん、なんでも言ってみな!」
ええ、急に言われてもなあ。
僕は目をしゅぱしゅぱとさせて、おばあちゃんに悩みを伝えたつもりだった。
しかし、おばあちゃんは、
「なんだい、ボス猫に餌をとられちゃうって?」
と、全く関係のないことを言い出した。
おばあちゃん、違うよ。僕は、煮干しの頭が食べられないのをどうにかしたい、って言ったのに。
「大丈夫!とられそうになったら、あたしに声をかけるんだ。ぽすちゃんの餌だよって言って、追い払ってやるよ」
おお、これは心強い!まあ、悩みは違うけど。
朝日が昇ってきた頃、おばあちゃんと僕は、一緒に海を見つめた。
人間って、僕たちよりも色々なことを知ってるんだね。物知りでかっこいい。
でも、だから悩んだり、落ち込んだりしちゃうのかな?
僕にはよくわからない。
いつか知りたいな。たくさんの人と話せば、だんだんわかってくるのかな。
太陽は、白く燃えていた。それに応えるように、海もきらめきを増していた。
僕だってきらきらに、と思い、少し姿勢を正してみる。
おばあちゃんは、そんな僕には気がついていないようだった。
しばらくして、おばあちゃんとのお別れの時間になった。
「ぽすちゃん、今日は色々ありがとうね」
僕も、楽しかったよ。アキちゃんが無事だといいね。
「じゃあ、またね」
「にゃあ」
また話そうね。
おばあちゃんは、ゆっくりと歩きながら、家へ帰っていった。
しばらくして、辺りが明るくなると、子供たちが僕のもとへやってきた。
登校中なのにこんなに元気なのはすごいな、といつも思う。僕も、みんなからパワーをもらっている。
今日も元気に行ってらっしゃい、みんな。
「ぽすちゃんバイバイ!」
「今度、図工の授業でぽすちゃん描くね!」
僕を描いてくれるの?すごく楽しみ。完成したら見せてほしいな。
「ぽすちゃーん!」
中学生、自転車に乗ってても僕に声をかけてくれるんだよね。優しいな。



