男の子は、涙が収まり、少しだけ笑って、僕をわしゃわしゃと撫でた。
あ、さっきの高校生たちと、全然違う。
柔らかくて、ほんわりと心に光が宿るような、優しい手。
僕、こういう手の人は、本当に優しい人だって知ってるよ。
「また、来るかも」
そう言って、男の子は去っていった。
君は確かに不器用。でも、頑張ろうとしているし、そんな自分がなんだかかっこ悪くて嫌気がさしているようなこともわかる。
こういうことを、葛藤、っていうのかな。
自分との戦い。自分をいつ受け入れられるか。
その「いつ」は人それぞれだけれど、受け入れるのに苦労するのは、みんな同じかもしれない。
どうか、自分が孤独だなんて思わないでほしいな。
僕は、またあの男の子と話せることを、強く願った。