温かな夕日に包まれたこの町は美しい。
道路のひび割れさえも、そこに金色の水が流れているように、きらりと輝いている。
自然に囲まれ、春の香りがする中、僕は変わらずポストの隣に座っていた。
遠くの海を見つめ、かすかに聞こえる波音を頼りに、僕の奥深くにある記憶を巡ろうとする。
巡ろうとするだけで、決して巡れはしないのだと、自分では薄々感じているのに。
菜の花の揺れる音が耳をくすぐる。
誰かを待っているように、遠くを見つめて、僕はただ座る。
でも、自分がどこから来て、どうしてこのポストの隣に座っているのかを思い出すことはできない。
どこかで僕の記憶は切断されているのだと思う。
それでも、色々な人の話を聞くのは楽しい。
今日はこんな人が話しに来たな。明日はどんな人が来るだろう?
嬉しい話?悲しい話?気持ちが溢れてどうしようもない、思わず話したくなっちゃう、という顔をして、みんなはいつも話をしてくれる。
僕の言ったことが君に通じることはないけれど、それでも僕は君の言葉がわかるよ。
道路のひび割れさえも、そこに金色の水が流れているように、きらりと輝いている。
自然に囲まれ、春の香りがする中、僕は変わらずポストの隣に座っていた。
遠くの海を見つめ、かすかに聞こえる波音を頼りに、僕の奥深くにある記憶を巡ろうとする。
巡ろうとするだけで、決して巡れはしないのだと、自分では薄々感じているのに。
菜の花の揺れる音が耳をくすぐる。
誰かを待っているように、遠くを見つめて、僕はただ座る。
でも、自分がどこから来て、どうしてこのポストの隣に座っているのかを思い出すことはできない。
どこかで僕の記憶は切断されているのだと思う。
それでも、色々な人の話を聞くのは楽しい。
今日はこんな人が話しに来たな。明日はどんな人が来るだろう?
嬉しい話?悲しい話?気持ちが溢れてどうしようもない、思わず話したくなっちゃう、という顔をして、みんなはいつも話をしてくれる。
僕の言ったことが君に通じることはないけれど、それでも僕は君の言葉がわかるよ。



