山奥、霧に沈む古屋敷。

7人の金血白者(呪詛人)――人間の世話人――は、今日もこの閉ざされた世界で息を潜めていた。世話人が遠方の町へ買い出しに出かけ、7人は炉端で酒を回し、沈黙を共有する。外は深い霧。人の気配など、あり得ない。
──ドン、ドン。

玄関を打つ音は、まるで鉄の心臓が脈打つようだった。
扉を開けた先に立っていたのは、ケムダー。
灰銀の肌は霧に濡れて艶めき、白い短髪は鋭く逆立ち、白瞳は氷の刃のように冷たい。
銀鉄の籠手《グラトニア》が低く唸り、肩鎧が軋む。

「ここは……僕のものになる場所か」
その声は、喉の奥で腐った蜜のように絡みつく。
ケムダーは息を呑んだ。が、次の瞬間――
屋敷の奥、闇の奥から、7人の呪詛人が湧き出た。
超筋骨隆々の巨躯。白い髪は獣のたてがみ、白瞳は飢えた獣のそれ。
金色の血が血管を灼き、皮膚の下で脈打つ。
彼らはケムダーを見た途端、獣じみた笑みを浮かべ、即座に迎え入れた。

「来るがいい、銀の獣……」

「僕等の血を味わえ……」
大広間。
絨毯は深紅。壁には古い肖像画が、まるで覗き見るように並ぶ。
ケムダーは中央に押し倒される。
7人の巨漢が円陣を組み、ゆっくりと近づく。
最初の一人が、ケムダーの顎を掴み、強引に上向かせる。
白い舌が這い、灰銀の喉を舐め上げる。
金血の味が混じる。甘く、熱く、鉄臭い。

「んっ……」

ケムダーの喉が鳴る。籠手が床に落ち、金属の悲鳴を上げる。
二番目が背後から覆い被さり、銀鋼の肩鎧を剥ぎ取る。
爪が皮膚を裂き、灰銀の血が滲む。

三番目が胸を這い、乳首を牙で噛み千切るように甘噛み。

四番目が股間を掴み、布を裂く。

五番目が太腿を割り、六番目が尻を鷲掴み。

七番目――最後の一人は、ケムダーの白瞳を覗き込みながら、ゆっくりと腰を沈める。
「すべてを、僕のものに……」

ケムダーの声は、喘ぎに変わる。
7本の白い肉柱が、灰銀の肉体を貫く。
金血が滴り、汗が飛び、筋肉がぶつかり合う。
ケムダーの能力「所有権吸奪」が暴走し、7人の「力」「欲望」「所有」を貪ろうとする。
だが、金血は抵抗する。逆に、ケムダーの穴が拡張し、呪詛たちの欲望を飲み干す。

「もっと……奥まで……僕のものに……!」
輪姦は果てしない。
一人が射精すれば、次の者が即座に挿入。
ケムダーの腹は金血と白濁で膨らみ、灰銀の肌は汚れきる。
籠手《グラトニア》は床で唸り続け、欲望の残滓を吸収しようとするが、もう手遅れ。
ケムダーの白瞳は虚ろに輝き、口角から涎が糸を引く。

「満足など……ない……もっと……」
残りの呪詛は、壁際に寄りかかって見つめる。
恐怖と、得体の知れない興奮。
股間が熱を帯びる者もいる。
──数時間後。

買い出しから戻った世話人が、扉を開ける。

大広間。

7人の呪詛は、まだケムダーを貪り続けている。

一人が首筋に噛みつき、金血を啜る。
一人が尻を割り、深く突き上げる。
一人が胸を舐め回し、一人が口を犯し、一人が手を縛り、一人が足を割り、最後の一人が白瞳を見つめながら、ゆっくりと腰を振る。
ケムダーは、ただ喘ぐだけ。

「僕の……もの……に……」
世話人は、目の前の光景に硬直する。
次の瞬間――
脳が白く焼き切れる。
男は膝から崩れ、床に頭を打ちつけたまま、動かなくなる。
7人とケムダーの狂宴は、霧の奥で永遠に続く。

満足など、ない。