夕暮れ時の街、赤く染まった空の下、エーイーリとクラヴィス=ルルーシュが並んで歩いている。エーイーリは白い髪を風になびかせ、スキップしながら奇妙な鼻歌を歌っている。一方のクラヴィスは、黒いコートの裾を翻し、不敵な笑みを浮かべながらエーイーリの奇行をチラリと観察している。
「なぁ、クラヴィス! この道、めっちゃ跳ねると気持ちいいんだから! ほら、こうやって!」

エーイーリが突然、道端の石畳をジャンプしながら進み始める。通行人が振り返るが、彼は全く気にしない。むしろ、注目されるのが楽しいらしい。
クラヴィスは片眉を上げ、クスクスと笑う。
「ふむ、君のその無垢なエネルギーは、まるで制御不能な嵐のようだな。だが、面白い。もう少し派手にやってみたらどうだ? 例えば、あの噴水に飛び込むとか?」
エーイーリの目がキラリと光る。
「おお! それ、最高じゃん! でもさ、クラヴィスも一緒に飛び込もうぜ! びしょ濡れの紳士って、めっちゃ絵になると思うんだよね!」

彼はクラヴィスの腕を掴もうとするが、クラヴィスはスルリと身をかわし、ニヤリと笑う。
「私は女性には紳士だが、君のような狂人にはただの観客でいい。さぁ、舞台は君のものだ、エーイーリ。見せてくれ、君の『芸術』を」

クラヴィスの言葉には、どこか挑戦的な響きがある。エーイーリは一瞬考える素振りを見せるが、すぐに「よっしゃ!」と叫んで噴水に向かってダッシュ。
ズバーン! 水しぶきが夕陽にキラキラと輝き、エーイーリは全身ずぶ濡れで大笑いしている。
「クラヴィス! めっちゃ楽しいぞ! ほら、来いよ!」
エーイーリが水をかき分けてクラヴィスを誘う。通行人たちは呆れ顔だが、クラヴィスは静かに笑いながら手を振る。
「ふふ、君の純粋さは罪深いほどだな。だが、面白い。この街に少し刺激を与えたくなったよ」

クラヴィスはポケットから小さな花火を取り出し、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「どうだ、エーイーリ。夜空に少し『遊び心』を加えてみるか?」
エーイーリの瞳がさらに輝く。
「うおお! 花火! やるやる! でも、クラヴィス、それって絶対怒られるやつじゃん?」

「怒られる? ハハ、規則なんて退屈なものさ。愉しければ全て良し、だろ?」
クラヴィスがマッチを擦ると、エーイーリが飛び跳ねて叫ぶ。
「最高! クラヴィス、僕、絶対君と友達だな!」
二人は花火を打ち上げ、街は一瞬にして色とりどりの光に包まれる。遠くで警備員の怒鳴り声が聞こえるが、エーイーリは笑い、クラヴィスは不敵に微笑む。

「さて、次は何をしようか、エーイーリ? この街をもう少し『愉快』にしてみないか?」

「いいね! クラヴィス、僕、なんか人生で一番楽しい散歩してる気がする!」
こうして、二人の散歩は街に小さな騒動を巻き起こしながら、どこまでも続くのだった。