訓練施設の朝は、熱気と活気に満ちていた。朝日はいつものように白い髪を振り乱し、白色の瞳で訓練場を見渡す。今日の対象は和沙――ADHDを持つ新米保安官だ。中背で落ち着きがなく、常に体を揺らしている。衝動的で注意散漫だが、情熱とエネルギーに溢れていた。
「和沙くん！ 今日は格闘訓練だ！ 僕の動きをしっかり見て！」
「やった！ すぐやろうぜ！」と和沙は飛び跳ね、いきなりパンチを繰り出す。
「落ち着いて！ まず構えからだ！」
「構え？ 面倒だな、ドカンと行けばいいじゃん！」
和沙は笑いながら動き回る。
朝日は意図を変え、「よし、動く的になってやる！ 僕を捕まえてみな！」と走り出す。興奮した和沙はダダッと追いかけるが、障害物にぶつかり転倒。
「砂が口に！」と笑いながら起き上がる。
「集中して。的は一つだよ」
「集中…難しいな！」と言いつつ、和沙は再び朝日を追う。
格闘訓練では予測不能な動きで朝日を驚かせ、パンチをかすめる場面もあったが、すぐに鳥に気を取られてしまう。
「戦場で鳥見てたら死ぬぞ！ 僕だけ見て！」
「了解！」
朝日は短時間集中法を用意した。
「5秒だけ僕の拳を見て！ その後攻撃だ！」
和沙は反応し、ドン！と朝日の腹に一撃を入れる。
「いいぞ！ その調子だ！」
衝動性を小さな目標で制御し、技術を伸ばしていく。訓練の終わり、汗だくの和沙は「楽しかった！ またやろう！」と叫び、朝日は笑って「集中さえできれば最強だ！」と言った。