俺の幼馴染が陽キャのくせに重すぎる!

「でも、律の人生を台無しにしたくなかったから」

 葵は律のことが大好きだ。

 たとえ、同じ大学に進級できなくても、その気持ちは変わらない。

 律の人生を台無しにするくらいならば、徹夜して無理をしてでも必死に授業に食らいつく日々の方がよかった。部活もせず、勉強ばかりをしているのは努力をして入学した学校で赤点をとらないための決死の作戦だった。

 律も葵に合わせてくれた。

 律は部活には入らなかった。葵と一緒に居る時間を優先したのだ。

「そっか」

 律は葵の髪を撫ぜた。

 お返しだと言わんばかりに撫ぜる。

「僕も責任をとるよ」

「おう。責任とって勉強に付き合ってくれ」

「勉強でも遊びでも、なんでも付き合ってあげるよ」

 律はそういうと髪から手を離した。

 名残惜しそうな手つきだった。

「さっそく、予習しようか?」

 律は鞄から数学の教科書を取り出した。

 ……一番、苦手なのをわかってる。

 葵はどちらかといえば文系だった。理系教科は律によるわかりやすい予習をして、ようやく授業についていけるくらいである。

「お願いします」

 葵も鞄から教科書を取り出す。

 それから机の上に放置されている予習用のノートを手に取った。

 律の予習を真剣に受ける。

 わからないところは質問をしながら行った。

「――今日はここまでにしておこうか」

「よっしゃ! 律、今日もありがとうな!」

「いいよ。僕の責任だからね」

 律はにこやかに答える。

 勉強の時間は終わりだ。

「保健体育の予習はしなくてもいいの?」

「その辺は教科書を見ればなんとかなる!」

「そう。残念だよ」

 律の言葉に葵は首を傾げた。