ナギはまるで、嵐のような存在だ。
俺の心をかき回しては、何事も無かったかのように過ぎ去っていく。今も、昔も。
明日からこの家にナギとふたりで、住むんだ。そう考えると、ドキドキして胸の動悸が収まらない。
ナギの前だと少しぶっきらぼうになってしまうことも、この胸の動悸も、全部、全部。
ずっとナギに、恋してしまっているせいだ。
話せば長くなる、というか好きになった理由すら思い出せないくらい、ずっと前からこの感情を胸の奥に隠していた。
この感情を抱くようになったのは、ナギと初めて出会った時なのか、それとも明確に好きになった瞬間があったのか。
それこそ思い出せない。
気づいたら、友達以上の感情を抱いて、その姿を追っていた。
そんな初恋の相手と、明日からふたりの生活が始まる。
朝起きるとナギがいて、一緒にテーブルを囲って、同じ家に帰ってくる。
……やっぱり、今からでも無理って連絡しようかな。
スマホを取り出して、ナギの連絡先を探す。
さっき帰る直前に「連絡先交換しよう!明日から一緒に住むんだし」と俺のスマホを奪い取り、勝手にLINEを追加されてしまった。
スマホの画面をスクロールして、ナギの連絡先を探す。トーク画面を開くと未だまっさらな画面が表示されている。
さて、なんて言って断ろう。
文字を打っては消し、送信ボタンを押そうとして踏みとどまり、そんな行動を何分続けていたんだろうか。
断りの連絡ってなんでこんなにも打ちづらいんだ。
あー、とか、うー、とか言葉にならない母音を口から零してはスマホとにらめっこする。
結局なにも送ることができなかった。
まあ、新しく家が決まるまでだろうし、二年も三年も同居するわけではない。長くてせいぜい一年くらいだろう。
一年の辛抱だ。
たった一年、この感情を隠しきれれば俺の勝ちである。
卿は怒涛の一日だった。
だった、といってもまだ昼すぎである。外では太陽の光が爛々と降り注いでいる。
昨日はほぼオールだったというのに、まだ数時間しか寝れていない。
俺は疲れた体を引きずって、二階に上がった。
俺の心をかき回しては、何事も無かったかのように過ぎ去っていく。今も、昔も。
明日からこの家にナギとふたりで、住むんだ。そう考えると、ドキドキして胸の動悸が収まらない。
ナギの前だと少しぶっきらぼうになってしまうことも、この胸の動悸も、全部、全部。
ずっとナギに、恋してしまっているせいだ。
話せば長くなる、というか好きになった理由すら思い出せないくらい、ずっと前からこの感情を胸の奥に隠していた。
この感情を抱くようになったのは、ナギと初めて出会った時なのか、それとも明確に好きになった瞬間があったのか。
それこそ思い出せない。
気づいたら、友達以上の感情を抱いて、その姿を追っていた。
そんな初恋の相手と、明日からふたりの生活が始まる。
朝起きるとナギがいて、一緒にテーブルを囲って、同じ家に帰ってくる。
……やっぱり、今からでも無理って連絡しようかな。
スマホを取り出して、ナギの連絡先を探す。
さっき帰る直前に「連絡先交換しよう!明日から一緒に住むんだし」と俺のスマホを奪い取り、勝手にLINEを追加されてしまった。
スマホの画面をスクロールして、ナギの連絡先を探す。トーク画面を開くと未だまっさらな画面が表示されている。
さて、なんて言って断ろう。
文字を打っては消し、送信ボタンを押そうとして踏みとどまり、そんな行動を何分続けていたんだろうか。
断りの連絡ってなんでこんなにも打ちづらいんだ。
あー、とか、うー、とか言葉にならない母音を口から零してはスマホとにらめっこする。
結局なにも送ることができなかった。
まあ、新しく家が決まるまでだろうし、二年も三年も同居するわけではない。長くてせいぜい一年くらいだろう。
一年の辛抱だ。
たった一年、この感情を隠しきれれば俺の勝ちである。
卿は怒涛の一日だった。
だった、といってもまだ昼すぎである。外では太陽の光が爛々と降り注いでいる。
昨日はほぼオールだったというのに、まだ数時間しか寝れていない。
俺は疲れた体を引きずって、二階に上がった。
