北極海に浮かぶヴォズロジデニヤ島は、ソ連の核実験場として腐り果てた死の孤島だった。放射能に汚染された雪原が灰色に広がり、毒々しい霧が視界を奪い、息をするだけで肺が焼けるような地獄。崩れたコンクリートの廃墟が骨のように突き立ち、風が核の残骸を運ぶ中、命懸けの一騎打ちが繰り広げられていた。黒の上級保安官、梔子(くちなし)が、白城から派遣された上級保安官、翔鶴を討つ——ホモ狩りの任務を遂行する梔子にとって、翔鶴は男色に溺れ組織を腐敗させる白い穢れそのもの。翔鶴は同僚の三笠を想い馳せながら戦うが、それが隙を生む。
梔子は、屈強な褐色の体躯を銀と黒の甲冑(鎧兜)に包み、黒髪が兜の下で揺れ、灰色の瞳を殺意で燃やしていた。銀の重火器「遣ラズノ雨」を握りしめ、独り言を吐く。
「海外任務で大変なのは、買い物(食べ物)時の計算かな……まぁ、それはいいとして、とりま、激ヤバ任務(ホモゲイの狩猟)を遂行し完了の報告しないと……」
翔鶴は白い髪と白色の瞳を持つ屈強な白人男性、白い制服が汚染雪に汚れ、腰の特殊リボルバーと戦闘ナイフを構えていた。同僚の三笠の面影が脳裏に浮かび、白色の瞳に一瞬の揺らぎが生じる。
「……あれ、撃っていいのかな?(見た目、凄い東洋なんだけど……こっちに向かって来るって敵かい? 三笠くんなら即座に撃つかな。じゃあ……撃つ!)」
翔鶴の声は温い、しかし想いが心を乱す。放射能の霧が二人の皮膚を蝕み、戦いが爆発する。
一騎打ちが始まったのは、毒霧が一際濃く立ち込めた瞬間だった。翔鶴が先に動く——獣の咆哮を上げ、廃墟のコンクリートを蹴散らして跳躍し、リボルバーを閃き抜く。銃口が梔子の胸を捉え、火を噴く——バン! バン! バン! 三発の重い弾丸が霧を切り裂き、梔子の甲冑を掠め、左肩の隙間から肉を抉り抜く。弾丸は皮膚を突き破り、肩甲骨近くの三角筋と上腕二頭筋をずたずたに引き裂き、筋繊維が一本一本断ち切られる生々しい感触が伝わり、肉塊が飛び散り、脂肪層が露出し、骨片が皮膚を突き破って飛び散る。傷口は直径3センチの深さ5センチの抉れで、血が噴き出し、放射能の霧が即座に傷口を腐食させ、肉が泡立ち黒く変色し、周囲の皮膚が水疱を起こして剥がれ落ち、膿のような黄色い体液がにじみ出て筋肉の断面を覆う。焼けつくような激痛が神経を焼き尽くす——まるで溶鉱炉に肩を突っ込んだような、脈打つ火傷の痛みが腕全体に広がり、肩関節が脱臼しかけ、指先が痺れて「遣ラズノ雨」を握る手が震え、わずかに引き金がずれる。梔子の灰色の瞳が一瞬歪み、血の味が口に広がり、吐き気が込み上げ、傷から滴る血が甲冑の隙間に溜まって重くのしかかり、肉の腐臭が鼻を突くが、彼は体を低く屈め、雪原を転がるように回避。汚染雪が抉れた肩の傷に食い込み、細かな放射能粒子が肉に埋もれて感染の熱を呼び、痛みが倍増し、腫れが急速に広がり、汗と血が混じって甲冑を重くする。「遣ラズノ雨」を構え、銀色の銃身が霧に妖しく輝く。
翔鶴は追撃を緩めず、四発目を放つ——バン! 弾丸が梔子の隠れた廃墟の壁を直撃し、コンクリートが爆ぜて放射能まみれの破片を撒き散らす。破片が梔子の右腕を切り裂き、皮膚が不規則にめくれ上がり、前腕の伸筋群が露出して太い橈骨動脈が切れ、血が脈打つように噴き出し、動脈の断面から赤黒い血塊が飛び散る。傷口は長さ10センチの裂け目で、深さ2センチから始まり腱が半分切断されたような鋭い痛みが走り、腕を動かすたびに肉が引きつり、骨にまで響き、血管の断面から血が泡立つように溢れ、霧の毒が傷を蝕んで肉が溶け始める、筋肉の層が剥離して白い腱膜が剥き出しになる。梔子は血を吐き、肺が毒霧で焼ける息苦しさに耐えながら灰色の瞳を輝かせる。指が引き金を引き絞ると、「遣ラズノ雨」から銀色の煙が爆発的に噴き出し、数百発の毒弾が竜巻のように翔鶴に襲いかかる——ドドドドッ! 弾幕の嵐は風を鞭打ち、翔鶴の左腕を蜂の巣に変える。弾丸が肉を貫通し、血管を裂き、骨に食い込み、骨髄まで達して内部から砕く感触が伝わり、鮮血が噴水のように噴き出して白い制服を赤黒く塗り潰す。肉片が飛び散り、毒弾の腐食剤が傷口を溶かすように泡立ち、皮膚が剥がれ落ち、筋肉が溶けて白い骨が露出し、腐った肉の臭いが立ち上るような激痛が翔鶴の腕を駆け巡る。翔鶴は絶叫を上げ、「あぁっ!!!……っ!(三笠ぁっ! 僕は君の鍵にはなれない……かもっ……)」と歯を食いしばり、痛みの衝撃で膝が折れ、汚染雪に爪を立てる。白色の瞳が血走り、視界が赤く染まり、三笠の幻影が一瞬揺らぐ。
梔子は痛みを無視し、廃墟の陰から爆発的に跳び出す。褐色の筋肉が鋼のように張り、距離を詰めるが、翔鶴は反撃に転じる。残りの弾丸をすべて吐き出す——バンバンバン! 四発の連射が霧を貫き、梔子の胸の甲冑を直撃し、隙間から肋骨に食い込む。弾丸は第4肋骨を一本折り、肺膜を掠めて空気の漏れるような息苦しさを生み、肉が抉れ、内臓を震わせる衝撃で梔子の息が止まる。傷口は胸郭に直径2センチの穴で、肺尖に達し血が溜まるような鈍い痛みが胸全体を締め付け、咳き込むたびに血の泡が口に上がり、肺に血が溜まる感覚が広がり、放射能が傷を腐食させて肉が溶け落ち、周囲の皮膚が潰瘍化し、肋間筋が断裂して胸壁がへこむ。血が口から溢れ、咳き込んで赤い塊を吐き出し、彼は灰色の瞳を輝かせ、「遣ラズノ雨」の二度目の発射を放つ——ドドドッ! 毒弾の集中砲火が翔鶴の胸を直撃。弾丸が皮膚を突き破り、肺を貫通し、血泡を噴き出させる。肉の裂ける湿った音が響き、肋骨が砕ける乾いた音が続き、肺組織が粉砕されて血と粘液の塊が飛び散り、翔鶴の白色の瞳が痛みで歪む。
「あがァっ!!! ……っ!(三笠ぁ……僕なら、富士より酷くないって言える……っ!)」
翔鶴は咆哮し、銃を捨ててナイフを抜き、梔子に飛びかかる。白い体が雪を駆け、刃を閃かせて喉元を狙う——ザシュッ! 鋭い刃が首筋を深く裂き、動脈近くの肉を抉り、熱い血潮が噴き出して梔子の視界を赤く染める。傷口は幅5センチの裂け目で、頸動脈がわずかに露出しかけ、血が気管に流れ込んで息が詰まり、窒息の恐怖と焼ける痛みが首から肩まで広がり、霧の毒が傷を蝕んで肉が泡立ち、腫れが急速に首全体を腫らして声が出にくくなり、頸椎近くの筋肉が断裂して頭が傾く。
梔子は首の傷から血を流しながらも、咆哮を上げて翔鶴のナイフ腕を掴み、折る勢いで捻り上げる。骨の砕ける乾いた音が響き、翔鶴の悲鳴が霧に溶ける。梔子は間合いを詰め、「遣ラズノ雨」の銃剣仕込みの銃身を翔鶴の腹に叩き込む——グチャッ! 銀の銃身が肉を深く抉り、腸を掻き回し、内臓を破裂させる。ぬめった感触が銃身に伝わり、翔鶴の腹から血と臓物の臭いが噴き出し、腐食剤が内臓を溶かすように泡立ち、小腸の断片が傷口から零れ落ち、腹腔が血と糞便の混じった悪臭で満たされる。白色の瞳が絶望に染まり、血泡が口から溢れ、三笠の幻影が最後に揺らぐ。
「三笠ァ……ごめん……ね……(僕……君の鍵に……なれなかった……)」
だが翔鶴は死なず、最後の力を振り絞ってナイフを梔子の脇腹に突き立てる——グサッ! 刃が右脇腹の腎臓近くを貫通し、肉を裂き、内臓を掻き毟るような激痛が走る。傷口は深さ10センチの刺し傷で、腎臓の膜が破れ、血と尿の混じった体液が漏れ出し、腹腔に広がる焼けるような痛みが腰から背中まで蝕み、放射能が傷を腐食させて肉が溶け落ち、腸の一部が露出しかけ、腹壁が弱まって内出血が急速に広がり、腎臓の破片がナイフに絡みつく。梔子の息が血に濁り、肺に穴が開いたような息苦しさが加わる。二人は汚染雪に倒れ込み、互いの体を血と灰で塗りたくって転がる。毒霧が激しく立ち込め、視界が灰色く焼ける中、翔鶴は這い上がり、梔子の胸に馬乗りになって拳を振り下ろす。拳が兜の隙間から顔面を砕き、鼻骨が折れる音が響き、鼻腔から血が噴き出して灰色の瞳が腫れ上がり、視界が二重にぼやけ、額の皮膚が裂け眉骨が割れる痛みが頭を貫き、頰骨に亀裂が入って顔全体が腫れ上がり、歯が一本折れて口内に血と破片が混じり、顎の関節が外れかける。梔子は反撃し、膝を翔鶴の股間に叩き込み、睾丸を潰すような衝撃を与える——グシャッ! 翔鶴の絶叫が島に響き、体が跳ね上がる。
梔子は傷だらけの体を無理やり起こし、血と灰にまみれた手で「遣ラズノ雨」を翔鶴の額に押し当てる。引き金を引く——ドドドドッ! 毒弾の嵐が脳天を貫き、翔鶴の頭蓋を内側から爆ぜさせる。白い髪が血と脳漿の塊と共に飛び散り、体が激しく痙攣して汚染雪に沈む。白色の瞳が虚ろに霧を睨み、命の灯が消える。
梔子は血まみれの体をよろめかせて立ち上がり、銀の甲冑を指でなぞる。左肩の抉れ傷は肉がめくれ上がり、骨が露出して血が絶え間なく滴り、動かすたびに神経が引き裂かれるような激痛が走り、腐食で周囲の皮膚が黒く壊死し始め、腫れが肩全体を硬くさせ、筋肉の断面から膿がにじみ出て腐臭を放つ。胸の裂傷は肋骨が折れて肺を圧迫し、息ごとに血の泡が口に上がる息苦しさと、肺膜の焼ける痛みが続き、血胸が形成されて胸郭が重く、咳き込むたびに血塊が喉を詰まらせ、肺組織の破片が吐き出される。脇腹の刺し傷は内臓が抉られ、腹腔に血が溜まって重く疼き、歩くたびに体液が漏れ出すぬめった感覚が襲い、腎臓の損傷で尿意と痛みが交互に襲い、腹壁が弱まって内出血の塊が触れるたびに鈍痛が広がり、腸の臭いが体外に漏れる。首の切り傷は血が止まらず、気管を塞ぐように腫れ上がり、息をするたびに血の味が喉を焼く、頸動脈の損傷で脈が不規則になり、頭痛が加わり、腫れが顎まで広がって嚥下すら困難、気管の裂け目から空気が漏れて異音がする。顔の打撲は鼻が曲がり、目元が腫れて視界が狭く、額の裂傷から血が流れ落ちて雪に固まり、頰の腫れで口が開きにくく、折れた歯の鋭い痛みが舌を刺し、血の塊が喉に詰まる。全身が傷だらけで、皮膚の裂け目から放射能と毒霧が染み込み、感染の熱が体を蝕み、足元がふらつき、意識が遠のきかけるが、灰色の瞳は勝利の光を宿す。任務は遂行された。ホモ狩りの弾幕が、白い穢れを核の灰に変えた。銀と黒の甲冑を翻し、彼は島の闇に消えた。ヴォズロジデニヤの毒霧は、再び静かに立ち上り——次の狩りを待つ。