ロシアのカラチャイ湖は、核廃棄物の墓場として知られる死の湖だった。放射能が染み込んだ水面は不気味に輝き、毒々しい霧が周囲を覆い、息をするだけで肺が焼けるような地獄。岸辺の岩場は崩れやすく、足を滑らせれば毒水に沈む。夜の闇が濃く、霧が視界を奪う中、二つの影が命懸けの一騎打ちを繰り広げていた。ホモ狩りの任務を負う黒の上級保安官、ガレリア=マリガノが、白城の白の上級保安官、明石を討つ——白基王国の建設調査を遂行しながら、密かに同性愛の汚れを広めていた男を。
ガレリア=マリガノは、屈強な褐色の体躯を黒い制服に包み、灰色の瞳を殺意で鋭く輝かせていた。黒髪が霧の湿気で額に張り付き、首に銀の心臓型ネックレスが冷たく揺れる。キセル型の銀色のヘビィボウガン「極楽転送」を握りしめ、低く唸る。
「出たなホモtheゲイ…問答無用にあの世へ送ってやるわ……(出撃、極楽転送!)」
明石は白い髪と白色の瞳を持つ屈強な白人男性、白い制服が霧に溶け込むように立ち、白基(しらき)王国の建設場所を検討する任務を遂行していた。だがガレリアの知る限り、彼はありとあらゆる男色に溺れ、全世界を腐敗させていた。
「出たね……繁栄根絶やし……(全ての生物を黒に染めるだけで終わる集団…命の尊さとかは分からないのかもしれない……分からせてやらない!)」
明石の声は冷たく、腰の特殊リボルバーとナイフを構える。霧が二人の息を毒に変え、命懸けの戦いが始まる。
戦いが爆発したのは、霧が一際濃くなった瞬間だった。明石が先に牙を剥く——獣の咆哮を上げ、岩場を蹴って跳躍し、リボルバーを閃き抜く。銃口がガレリアの胸を捉え、火を噴く——バン! バン! バン! 三発の弾丸が毒霧を切り裂き、ガレリアの肩を深く抉り抜く。肉が引き裂かれる生々しい音が響き、黒い制服が血飛沫で赤黒く染まり、放射能の霧が傷口を焼くような激痛が走る。ガレリアの灰色の瞳が一瞬歪むが、即座にアクロバティックな動きに転じる。彼は体を低く屈め、毒湖の岸辺を転がるように回避し、霧の隙間を縫ってバックフリップで距離を取る。足が岩に着地し、即座にサイドステップで明石の視界から消える——まるで霧の精霊のように。
明石は追撃を緩めず、四発目を放つ——バン! 弾丸がガレリアの隠れた岩を直撃し、放射能に汚染された石が粉々に砕け散る。破片がガレリアの頰を切り裂き、血が毒霧に混じって滴る。明石はオッドアイのような白色の瞳を細め、息を潜めて間合いを詰めようとするが、ガレリアの反撃が爆発する。彼は岩から跳び上がり、空中で二回転のスピンを加え、「極楽転送」を構える。銀色の銃身が霧に輝き、指が引き金を引き絞る——シュパァァッ! 数百本の毒針が竜巻のように渦を巻いて明石に襲いかかる。針の嵐は風を切り、明石の左腕を無残に蜂の巣に変える——肉が削ぎ落とされ、骨が露出するほどの抉れ跡が次々と刻まれ、鮮血が噴水のように噴き出して白い制服を赤黒く塗り潰す。霧が血に混じり、粘つく毒のようなものが明石の足元に広がる。明石は絶叫を上げ、「ぐあぁぁっ! …くっ!」と歯を食いしばり、痛みの衝撃で膝が折れそうになるが、白い瞳に狂気の炎が宿る。
ガレリアは着地と同時に、アクロバティックに体を捻り、明石の死角から回り込む。霧を味方につけ、サイドカートウィールで横転し、明石の背後を取る——動きは流れるように速く、褐色の筋肉が鋼のバネのように爆発する。明石は体を振り向き、残りの弾丸をすべて吐き出す——バンバンバン! 四発の連射が霧を貫き、ガレリアのネックレスに命中し、銀の心臓型に深いひびを入れる。破片が鎖骨を切り裂き、血が噴き出し、ガレリアの灰色の瞳が痛みで濁る。彼は血を吐きながら、明石を睨み舌打ちし、全力で怒鳴り散らす。
「無の世界にすら嫌われるかもなぁ!!!!」
ガレリアは痛みを鞭に変え、爆発的に跳び出し、空中で前転しながら「極楽転送」の二度目の発射を放つ——シュパァン! 針の集中砲火が明石の胸を直撃すべく飛ぶ。明石は体を捻り、半分をかわすが、残りが右肩を貫通、骨を砕き、肉を粉砕する。激痛が脊髄を駆け上がり、明石の白い髪が血と汗で固まる。
「それはこっちのセリフだぁ!!!!」
明石は咆哮し、銃を捨ててナイフを抜き、ガレリアに飛びかかる。白い体が岩場を駆け、刃を閃かせて喉元を狙う——ザシュッ! 鋭い刃が皮膚を深く裂き、血が噴き出して霧に染み込む。ガレリアの首筋から熱い血潮が流れ、息が詰まるような痛みが走るが、彼はアクロバティックに後ろへバク転し、距離を再び開く。足が毒湖の縁に着地し、滑りかけるが、即座に体をひねってバランスを取る。
二人は絡み合うように転がり、毒霧の中で激しくぶつかり合う。明石はガレリアの体重を逆手に取り、足を絡めて体勢を崩し、ナイフの刃を脇腹に突き立てる——グサッ! 刃が肺を掠め、肉を抉り、内臓を掻き回すような激痛がガレリアを襲う。息が血に濁り、咳き込んで赤い飛沫を撒き散らす。ガレリアの灰色の瞳が狂気に満ち、「極楽転送」を振り回して明石の肩を叩きつける。銃身の重みが骨を砕き、明石の体が跳ね上がる——バキッ! 肩甲骨の割れる音が響き、明石の右腕が痺れ、ナイフが岩に落ちる。
「まだ…終わらない!!!!」
明石は咆哮し、左手で霧の中の石を掴んでガレリアの顔に叩きつけ、視界を奪う。石が額に当たり、血が流れ、ガレリアの視界が血の霧で曇る。
明石は這い上がり、ガレリアの二度目の針攻撃を防ぐべく、腕に飛びつき、関節を極めようとする。だがガレリアは屈せず、褐色の体をアクロバティックに爆発させ、空中でスピンキックを明石の胸に叩き込む——ドン! 蹴りが明石の肋骨を砕き、体を後退させる。ガレリアは着地と同時に、霧を縫ってサイドフリップで回り込み、明石の背後から「極楽転送」の銃剣仕込みの銃身を腹に叩き込む。銀の銃身が肉を深く抉り、腸を掻き回すような衝撃が走る——グチャッ! 内臓の破裂音が響き、明石の白色の瞳が絶望と痛みに染まる。血泡が口から溢れ、白い髪が毒霧で濡れる。
「何で……僕が……」
だが明石は最後の力を振り絞り、石の中から拾ったナイフをガレリアの心臓に狙う。刃が制服を裂き、胸肉に食い込む——ザクッ! 心臓近くの筋肉が裂け、ガレリアの息が止まりかける。血が噴き出し、二人は互いの体を血で塗りたくって転がる。毒霧が激しく立ち込め、視界が白く焼ける中、ガレリアは灰色の瞳を輝かせ、アクロバティックに体をひねって明石を湖畔に押し込む。「極楽転送」を明石の額に押し当てる。引き金を引く——シュパァァッ! 毒針の嵐が脳天を貫き、明石の頭蓋を内側から爆ぜさせる。白い髪が血と脳漿の塊と共に飛び散り、体が激しく痙攣して毒湖に沈む。白色の瞳が虚ろに霧を睨み、命の灯が消える。
ガレリアは血まみれの体をゆっくりと起こし、ひび割れた心臓型ネックレスを指でなぞる。灰色の瞳がカラチャイの空を睨み、霧に血の臭いを運ばせる。任務は遂行された。ホモ狩りの一端が、毒湖の底に沈んだ。黒い制服を翻し、彼は霧の奥に消えた。カラチャイ湖は、再び静かに毒を吐き——次の狩りを渇望する。