白城の自主訓練施設は、砂漠の陽光に照らされ、汗と鉄の匂いが漂っていた。広大な訓練場では、屈強な白人男性、鞍馬が朝日と共に汗を流していた。白い髪を風に揺らし、白色の瞳を鋭く光らせる鞍馬は、白城出身の白の上級保安官だ。しかし、彼には誰にも言えない秘密があった。特定の人――朝日だけが、ぬいぐるみにしか見えない。生理的に受け付けられない朝日の存在を、金血の力が勝手に変換し、ふわふわのクマのぬいぐるみとして映し出す。それでも、鞍馬は朝日と普通に話せ、任務を共にこなしてきた。
「鞍馬くん! ほら、もっと腰入れてパンチ打って! 君の力、もっと見せて欲しい!」
朝日はやんちゃな笑顔を浮かべ、拳を構えた。白い髪が汗で額に張り付き、白色の瞳がキラキラと輝く。天真爛漫で寂しがり屋、甘えん坊な性格の彼は、鞍馬にやたらと絡む。鞍馬には、朝日が大きな茶色のクマのぬいぐるみに見えた。ボタンの目がピカピカ光り、ふわふわの手がパンチを繰り出す。生理的な拒絶感が薄れるおかげで、鞍馬は自然に応じられた。
「朝日くん、うるさいな。ほら、隙だらけだぞ!」
鞍馬は笑いながらカウンターを放ち、朝日の肩を軽く叩いた。
朝日はニヤリと笑い、「おお、いい感じ! やっぱ君、最高のパートナーだよ!」と鞍馬の背中に飛びついた。鞍馬はクマのぬいぐるみが抱きつく感触に一瞬硬直したが、「重いよ、降りて」と笑って誤魔化した。朝日のフレンドリーな態度に、鞍馬も少しずつ心を開きつつあったが、ぬいぐるみの姿がその距離を微妙に保っていた。
その様子を、訓練場の端で八島が見つめていた。白い髪を後ろで結び、白色の瞳に優しい光を宿す八島は、敷島と肩を並べるほどの世話焼きで、ちょっぴり寂しがり屋だ。彼は鞍馬の視線や朝日への微妙な反応に違和感を覚えていた。
「鞍馬くん、朝日くんと楽しそうだけど…なんか、目が違うね……(何に見えるんだろう?)」
八島は独り言を呟き、鞍馬の態度を観察し続けた。朝日に絡まれても冷静すぎる鞍馬の笑顔が、どこか不自然に感じられたのだ。
特訓後、八島は敷島に相談しにいった。白城の最高責任者であり権力者である敷島は、白い髪と白色の瞳を持ち、慈悲深く愛情深い性格で知られる。彼は訓練場の見晴らし台で、世話焼きな笑みを浮かべながら八島を迎えた。
「敷島くん、鞍馬くんの様子がおかしいんだよね。朝日くんを見る目が、まるで別物を見てるみたいで…他の人には普通なのにさ……(他の子達に対しては、表情豊かに接してるのに対して、あの子だけは、やけに身構えが入ってるような態度で接してる)」
八島の声には心配が滲む。敷島は目を細め、「そう……。ひょっとしたら、金血の力で防衛機能の補助とかでああなってるのかな?(金血の力の使い方を間違えてるのかな? 防衛機能だと、銀血が使われるけど、金血のみだと…深邃の血が補助しに来るって深山くんが言ってたね)引き続き観察して欲しい、八島くん」と答えた。
「鞍馬くん! ほら、もっと腰入れてパンチ打って! 君の力、もっと見せて欲しい!」
朝日はやんちゃな笑顔を浮かべ、拳を構えた。白い髪が汗で額に張り付き、白色の瞳がキラキラと輝く。天真爛漫で寂しがり屋、甘えん坊な性格の彼は、鞍馬にやたらと絡む。鞍馬には、朝日が大きな茶色のクマのぬいぐるみに見えた。ボタンの目がピカピカ光り、ふわふわの手がパンチを繰り出す。生理的な拒絶感が薄れるおかげで、鞍馬は自然に応じられた。
「朝日くん、うるさいな。ほら、隙だらけだぞ!」
鞍馬は笑いながらカウンターを放ち、朝日の肩を軽く叩いた。
朝日はニヤリと笑い、「おお、いい感じ! やっぱ君、最高のパートナーだよ!」と鞍馬の背中に飛びついた。鞍馬はクマのぬいぐるみが抱きつく感触に一瞬硬直したが、「重いよ、降りて」と笑って誤魔化した。朝日のフレンドリーな態度に、鞍馬も少しずつ心を開きつつあったが、ぬいぐるみの姿がその距離を微妙に保っていた。
その様子を、訓練場の端で八島が見つめていた。白い髪を後ろで結び、白色の瞳に優しい光を宿す八島は、敷島と肩を並べるほどの世話焼きで、ちょっぴり寂しがり屋だ。彼は鞍馬の視線や朝日への微妙な反応に違和感を覚えていた。
「鞍馬くん、朝日くんと楽しそうだけど…なんか、目が違うね……(何に見えるんだろう?)」
八島は独り言を呟き、鞍馬の態度を観察し続けた。朝日に絡まれても冷静すぎる鞍馬の笑顔が、どこか不自然に感じられたのだ。
特訓後、八島は敷島に相談しにいった。白城の最高責任者であり権力者である敷島は、白い髪と白色の瞳を持ち、慈悲深く愛情深い性格で知られる。彼は訓練場の見晴らし台で、世話焼きな笑みを浮かべながら八島を迎えた。
「敷島くん、鞍馬くんの様子がおかしいんだよね。朝日くんを見る目が、まるで別物を見てるみたいで…他の人には普通なのにさ……(他の子達に対しては、表情豊かに接してるのに対して、あの子だけは、やけに身構えが入ってるような態度で接してる)」
八島の声には心配が滲む。敷島は目を細め、「そう……。ひょっとしたら、金血の力で防衛機能の補助とかでああなってるのかな?(金血の力の使い方を間違えてるのかな? 防衛機能だと、銀血が使われるけど、金血のみだと…深邃の血が補助しに来るって深山くんが言ってたね)引き続き観察して欲しい、八島くん」と答えた。



