「へへへ……ふふふ……」
朝から不気味に笑いながら僕は登校していた。周囲の人から見れば、何もないところで笑っている異常者に見えるだろうが、そんなことは関係なかった。僕は今、最高に気分がいいのだ。
学校が近くなった時に自転車に乗って現れた聡に見られて気持ち悪いものを見るような目をされたが、今日の僕はそれすら許せてしまう。
「なんだよ。一人で笑って気持ち悪いぞ」
視線だけじゃなくて言葉でも言われたが、僕はチラッと聡を見てまた笑う。聡は重症だと思ったのか合掌して、「早くこいつが戻ってきますように」なんてことを祈っていた。流石にそれは失礼じゃないか、と思って抗議しようとした時、後ろから肩を叩かれた。
驚いて振り返ると、頬に何かが突き刺さった。
それは人の指だった。
「ははは、今日もかわいいね、凛月」
振り返った先にいたのは僕に悪戯を仕掛けた早瀬くんだった。早瀬くんは機嫌良さそうに目尻を下げ、じっと僕の方を見ている。それを横で見ていた聡は何かを察したようで、「じゃあ、あとはお二人でってことで……」と言って逃げるように自転車で去っていった。結局聡には変人扱いされたままで、理由を説明できずじまいだったが、早瀬くんを見ているとどうでもいいかと思えてくる。
「おはよう、早瀬くん!」
「うん。おはよう」
プールに遊びに行き、僕の初恋の人が早瀬くん本人だったと知った。そして、改めて告白をし、僕たちは晴れて恋人同士になれたのだ。
人生何があるか分からないものだな、と僕は頭の片隅で考える。
「もすぐ夏休みだけど、凛月は何か予定ある?」
「夏休みは特に何もないよ。早瀬くんは?」
「俺も特にない。だから、よかったら凛月とたくさん予定を決めたいなって思って」
「え、本当に! なら、たくさん遊ぼう! 僕、海に行きたいし、どこかに旅行もしてみたいな」
早瀬くんの提案に僕は顔を輝かせる。やってることはこれまでと同じかもしれないけど、やはり恋人と、と考えると嬉しいと思うのだ。
僕はこれからの二人で過ごす時間を思って楽しくなり、笑顔を浮かべる。それを早瀬くんも楽しそうに見ていた。
「海もいいね。あとは、お祭りとか行きたくない?」
「お祭り! いいね!」
「じゃあ、お互いに浴衣着てお祭り行こう。花火が綺麗に見える穴場、知ってるから」
「うん! 早瀬くんの浴衣姿かー。絶対にかっこいいよね!」
「別に、普通だと思うけど」
二人で夏休みの計画を話し合っていると、学校に一瞬で着いてしまった。もっともっと、早瀬くんと話をしていたいのに、タイムリミットはすぐそこまできているのが少しだけ残念だった。
校舎の中に入って教室に近づくと、早瀬くんの友達が集まってきた。
「早瀬ー! ねぇ、課題見せてくれない?」
「おはー。週末、遠藤たちとプールに行ったんだって? なんで俺のこと誘ってくれなかったん?」
早瀬くんは人気者だから、すぐにたくさんの人に囲まれる。僕はそれを見て、一歩後ろに下がってしまう。楽しくて、高揚していた気持ちが風船に穴を開けたように一瞬にして萎んでしまう。
僕が早瀬くんと話してたのに、とちょっと嫉妬してみたりもするけど、そう思っても仕方がないかと考えを改める。僕は、そっと輪の中から離れると一人で教室に入ろうとする。
「凛月!」
その時、早瀬くんの声が僕の耳に聞こえてきた。ハッとして顔をあげると、早瀬くんは集まってきた友達を軽くいなして僕の方に向かってきた。
「ごめん。でも、遠慮しなくていい。俺は凛月と一緒にいたいから」
「……あ、ううん。僕こそ、ごめん」
呆然としながら、早瀬くんの言葉を頭の中で反芻させる。すると早瀬くんは「俺に言いたいことない?」と、言葉を続けた。
「……こんなの、重いってわかってるけど……ちょっとだけ、嫉妬しました…………」
我ながら恥ずかしいことを言っている自覚があったため、徐々に顔に熱が集まり始める。僕は口元を手で覆い、上目遣いでチラッと早瀬くんのことを見る。早瀬くんは何故か嬉しそうに笑っていて、僕は目を丸くした。
「あぁ、ごめん。でも、凛月が可愛くて……不謹慎だけど、嫉妬してくれたのが嬉しいなって」
「なんか、釈然としない……」
不満そうに口を尖らせると、それも面白かったのか早瀬くんは笑みを深くした。
「だって、嫉妬してくれるほど、俺のこと好きってことだろ」
「なっ…………ま、間違ってないけど……」
間違ってないけど、できることなら嫉妬させないでほしいと思わないでもない。でも、友達よりも自分を優先してくれた彼のことを考えたら、全部がどうでも良くなってきた。これが惚れた弱みなのかもしれない。
「はいはい、お二人さーん。教室の出入り口でいちゃつかないでくださーい」
二人だけの世界に入っていたら、遠藤くんが横に現れた。僕は驚いて思わず仰け反ったが、早瀬くんは遠藤くんに気がついていたのか特にリアクションは見せなかった。
「早瀬も、ようやく水瀬と一緒になれたからって、ハメを外すなよ。ここは学校、不埒なことは致しません。はい、復唱!」
遠藤くんが僕らを指さしたが、早瀬くんはそっぽを向いて知らんぷりをしていた。反抗的な早瀬くんの態度に遠藤くんは大袈裟にため息を吐く。
「水瀬も何か言ってやれよ。もうお前しかこいつのこと制御できないんだぞ」
「制御って……別に僕はそのままでいいと思うよ」
「はぁー、お前もか。お前もなのか」
遠藤くんは首を振って「やってらんねー」と呆れながら教室に入っていった。何がそんなに気にかかったのか分からなかった僕は、早瀬くんに助けを求めた。
「気にしなくていいよ。遠藤はもともとああいうちょっと引きが悪いやつだから」
早瀬くんの言葉で余計に訳がわからなくなるが、早瀬くんがそう言うなら、と考えることをやめる。
*
全ての授業が終わって、僕は早瀬くんに一緒に帰ろうと声をかけようとした。だが、案の定早瀬くんは友達に囲まれており、僕が口を出せるような状況じゃなかった。せっかく付き合って初めての下校になるから、一緒に帰りたかったが、これでは無理かなと諦めモードに入る。
わざとゆっくり帰る準備をして、早瀬くんの周りから人がいなくならないかと待っているが、どこかに行く気配はなかった。
でも、僕が遠慮する必要ってないような。だって僕は、早瀬くんの恋人なんだから。
そこで朝の早瀬くんの言葉を思い出す。早瀬くんは僕に遠慮しなくていいと言ってくれた。僕はその言葉に勇気をもらい、よし、と心の中で意気込んでから早瀬くんたちの方に近づく。
早瀬くんを取り巻く人たちの一人が僕に気がつく。「どうしたの、水瀬」と早瀬くんよりも先に用件を聞かれる。まるで、こっちには用がないんだけど、と言われているようだった。あからさまな線引きに少しだけ眉間に皺を寄せるが、僕はつとめて冷静にかつ早瀬くんの方だけを見て言葉を紡ぐ。
「早瀬くん! い、一緒に帰ろう!」
一瞬の静寂。気まずい雰囲気が早瀬くんの友達の間で流れる。けど、そんなことは知ったことではない。僕は、早瀬くんに届けばいいと思っていたから。
「何言ってるんだよ。早瀬は俺らと……」
「いいよ。一緒に帰ろう、凛月」
友達の一人が答えようとしたのに被せるように早瀬くんが了承の意を示す。僕の提案を断らなかった早瀬くんに周りの人は驚いて彼をみていた。だけど、早瀬くんは僕の方しか見ていなかった。僕のことを優先してくれているのがわかって、僕は少しだけ優越感を覚える。
「じゃ、そういうことで。俺、行くわ」
早瀬くんが荷物を持って立ち上がると、「え、早瀬?」と周りの人たちは困惑した表情を浮かべる。
「あいつらのことは気にしなくていいよ」
僕の隣にくると早瀬くんは僕のことを気にかけてくれた。そして、何かを思い出したように振り返ると、僕の肩に手を回し早瀬くんの方に引き寄せる。
僕も驚いて早瀬くんの方を見上げると、早瀬くんは口角を少しだけ上げて、友達たちに宣言した。
「俺、凛月と付き合ってるから。邪魔したら、許さないからな」
そういうと彼は僕の手を繋いで歩き出した。その握り方は恋人繋ぎと言われる繋ぎ方だった。
僕らが教室を出る頃に、中に残された人たちはようやく早瀬くんの言葉を理解したのか大騒ぎだった。その時には僕も状況をようやく把握して、顔を真っ赤にしていた。
「これで、誰にも邪魔されないし、凛月を奪われる心配もなくなった」
爆弾を投下した本人は清々しい表情で、とても満足そうだった。
こんなにはっきりと恋人扱いをしてくれるとは思っていなくて、僕は何を返せばいいのかわからなくなる。
「俺がしたかったんだ。迷惑、だった?」
「そんなことないよ! へへ、ちょっと嬉しいくらい」
そう言って微笑むと早瀬くんも嬉しそうに笑った。優しくて、甘さを含んだその笑顔に僕の心も蕩けそうだった。
二人の恋は動き出したばかり。
この先、きっと色々あるだろうけど、早瀬くんと二人ならどんな困難も乗り越えていけるだろう。
僕はそう思いながら早瀬くんの隣に立つ。
「早瀬くん、大好きだよ!」
朝から不気味に笑いながら僕は登校していた。周囲の人から見れば、何もないところで笑っている異常者に見えるだろうが、そんなことは関係なかった。僕は今、最高に気分がいいのだ。
学校が近くなった時に自転車に乗って現れた聡に見られて気持ち悪いものを見るような目をされたが、今日の僕はそれすら許せてしまう。
「なんだよ。一人で笑って気持ち悪いぞ」
視線だけじゃなくて言葉でも言われたが、僕はチラッと聡を見てまた笑う。聡は重症だと思ったのか合掌して、「早くこいつが戻ってきますように」なんてことを祈っていた。流石にそれは失礼じゃないか、と思って抗議しようとした時、後ろから肩を叩かれた。
驚いて振り返ると、頬に何かが突き刺さった。
それは人の指だった。
「ははは、今日もかわいいね、凛月」
振り返った先にいたのは僕に悪戯を仕掛けた早瀬くんだった。早瀬くんは機嫌良さそうに目尻を下げ、じっと僕の方を見ている。それを横で見ていた聡は何かを察したようで、「じゃあ、あとはお二人でってことで……」と言って逃げるように自転車で去っていった。結局聡には変人扱いされたままで、理由を説明できずじまいだったが、早瀬くんを見ているとどうでもいいかと思えてくる。
「おはよう、早瀬くん!」
「うん。おはよう」
プールに遊びに行き、僕の初恋の人が早瀬くん本人だったと知った。そして、改めて告白をし、僕たちは晴れて恋人同士になれたのだ。
人生何があるか分からないものだな、と僕は頭の片隅で考える。
「もすぐ夏休みだけど、凛月は何か予定ある?」
「夏休みは特に何もないよ。早瀬くんは?」
「俺も特にない。だから、よかったら凛月とたくさん予定を決めたいなって思って」
「え、本当に! なら、たくさん遊ぼう! 僕、海に行きたいし、どこかに旅行もしてみたいな」
早瀬くんの提案に僕は顔を輝かせる。やってることはこれまでと同じかもしれないけど、やはり恋人と、と考えると嬉しいと思うのだ。
僕はこれからの二人で過ごす時間を思って楽しくなり、笑顔を浮かべる。それを早瀬くんも楽しそうに見ていた。
「海もいいね。あとは、お祭りとか行きたくない?」
「お祭り! いいね!」
「じゃあ、お互いに浴衣着てお祭り行こう。花火が綺麗に見える穴場、知ってるから」
「うん! 早瀬くんの浴衣姿かー。絶対にかっこいいよね!」
「別に、普通だと思うけど」
二人で夏休みの計画を話し合っていると、学校に一瞬で着いてしまった。もっともっと、早瀬くんと話をしていたいのに、タイムリミットはすぐそこまできているのが少しだけ残念だった。
校舎の中に入って教室に近づくと、早瀬くんの友達が集まってきた。
「早瀬ー! ねぇ、課題見せてくれない?」
「おはー。週末、遠藤たちとプールに行ったんだって? なんで俺のこと誘ってくれなかったん?」
早瀬くんは人気者だから、すぐにたくさんの人に囲まれる。僕はそれを見て、一歩後ろに下がってしまう。楽しくて、高揚していた気持ちが風船に穴を開けたように一瞬にして萎んでしまう。
僕が早瀬くんと話してたのに、とちょっと嫉妬してみたりもするけど、そう思っても仕方がないかと考えを改める。僕は、そっと輪の中から離れると一人で教室に入ろうとする。
「凛月!」
その時、早瀬くんの声が僕の耳に聞こえてきた。ハッとして顔をあげると、早瀬くんは集まってきた友達を軽くいなして僕の方に向かってきた。
「ごめん。でも、遠慮しなくていい。俺は凛月と一緒にいたいから」
「……あ、ううん。僕こそ、ごめん」
呆然としながら、早瀬くんの言葉を頭の中で反芻させる。すると早瀬くんは「俺に言いたいことない?」と、言葉を続けた。
「……こんなの、重いってわかってるけど……ちょっとだけ、嫉妬しました…………」
我ながら恥ずかしいことを言っている自覚があったため、徐々に顔に熱が集まり始める。僕は口元を手で覆い、上目遣いでチラッと早瀬くんのことを見る。早瀬くんは何故か嬉しそうに笑っていて、僕は目を丸くした。
「あぁ、ごめん。でも、凛月が可愛くて……不謹慎だけど、嫉妬してくれたのが嬉しいなって」
「なんか、釈然としない……」
不満そうに口を尖らせると、それも面白かったのか早瀬くんは笑みを深くした。
「だって、嫉妬してくれるほど、俺のこと好きってことだろ」
「なっ…………ま、間違ってないけど……」
間違ってないけど、できることなら嫉妬させないでほしいと思わないでもない。でも、友達よりも自分を優先してくれた彼のことを考えたら、全部がどうでも良くなってきた。これが惚れた弱みなのかもしれない。
「はいはい、お二人さーん。教室の出入り口でいちゃつかないでくださーい」
二人だけの世界に入っていたら、遠藤くんが横に現れた。僕は驚いて思わず仰け反ったが、早瀬くんは遠藤くんに気がついていたのか特にリアクションは見せなかった。
「早瀬も、ようやく水瀬と一緒になれたからって、ハメを外すなよ。ここは学校、不埒なことは致しません。はい、復唱!」
遠藤くんが僕らを指さしたが、早瀬くんはそっぽを向いて知らんぷりをしていた。反抗的な早瀬くんの態度に遠藤くんは大袈裟にため息を吐く。
「水瀬も何か言ってやれよ。もうお前しかこいつのこと制御できないんだぞ」
「制御って……別に僕はそのままでいいと思うよ」
「はぁー、お前もか。お前もなのか」
遠藤くんは首を振って「やってらんねー」と呆れながら教室に入っていった。何がそんなに気にかかったのか分からなかった僕は、早瀬くんに助けを求めた。
「気にしなくていいよ。遠藤はもともとああいうちょっと引きが悪いやつだから」
早瀬くんの言葉で余計に訳がわからなくなるが、早瀬くんがそう言うなら、と考えることをやめる。
*
全ての授業が終わって、僕は早瀬くんに一緒に帰ろうと声をかけようとした。だが、案の定早瀬くんは友達に囲まれており、僕が口を出せるような状況じゃなかった。せっかく付き合って初めての下校になるから、一緒に帰りたかったが、これでは無理かなと諦めモードに入る。
わざとゆっくり帰る準備をして、早瀬くんの周りから人がいなくならないかと待っているが、どこかに行く気配はなかった。
でも、僕が遠慮する必要ってないような。だって僕は、早瀬くんの恋人なんだから。
そこで朝の早瀬くんの言葉を思い出す。早瀬くんは僕に遠慮しなくていいと言ってくれた。僕はその言葉に勇気をもらい、よし、と心の中で意気込んでから早瀬くんたちの方に近づく。
早瀬くんを取り巻く人たちの一人が僕に気がつく。「どうしたの、水瀬」と早瀬くんよりも先に用件を聞かれる。まるで、こっちには用がないんだけど、と言われているようだった。あからさまな線引きに少しだけ眉間に皺を寄せるが、僕はつとめて冷静にかつ早瀬くんの方だけを見て言葉を紡ぐ。
「早瀬くん! い、一緒に帰ろう!」
一瞬の静寂。気まずい雰囲気が早瀬くんの友達の間で流れる。けど、そんなことは知ったことではない。僕は、早瀬くんに届けばいいと思っていたから。
「何言ってるんだよ。早瀬は俺らと……」
「いいよ。一緒に帰ろう、凛月」
友達の一人が答えようとしたのに被せるように早瀬くんが了承の意を示す。僕の提案を断らなかった早瀬くんに周りの人は驚いて彼をみていた。だけど、早瀬くんは僕の方しか見ていなかった。僕のことを優先してくれているのがわかって、僕は少しだけ優越感を覚える。
「じゃ、そういうことで。俺、行くわ」
早瀬くんが荷物を持って立ち上がると、「え、早瀬?」と周りの人たちは困惑した表情を浮かべる。
「あいつらのことは気にしなくていいよ」
僕の隣にくると早瀬くんは僕のことを気にかけてくれた。そして、何かを思い出したように振り返ると、僕の肩に手を回し早瀬くんの方に引き寄せる。
僕も驚いて早瀬くんの方を見上げると、早瀬くんは口角を少しだけ上げて、友達たちに宣言した。
「俺、凛月と付き合ってるから。邪魔したら、許さないからな」
そういうと彼は僕の手を繋いで歩き出した。その握り方は恋人繋ぎと言われる繋ぎ方だった。
僕らが教室を出る頃に、中に残された人たちはようやく早瀬くんの言葉を理解したのか大騒ぎだった。その時には僕も状況をようやく把握して、顔を真っ赤にしていた。
「これで、誰にも邪魔されないし、凛月を奪われる心配もなくなった」
爆弾を投下した本人は清々しい表情で、とても満足そうだった。
こんなにはっきりと恋人扱いをしてくれるとは思っていなくて、僕は何を返せばいいのかわからなくなる。
「俺がしたかったんだ。迷惑、だった?」
「そんなことないよ! へへ、ちょっと嬉しいくらい」
そう言って微笑むと早瀬くんも嬉しそうに笑った。優しくて、甘さを含んだその笑顔に僕の心も蕩けそうだった。
二人の恋は動き出したばかり。
この先、きっと色々あるだろうけど、早瀬くんと二人ならどんな困難も乗り越えていけるだろう。
僕はそう思いながら早瀬くんの隣に立つ。
「早瀬くん、大好きだよ!」



