夜の帳がカバラ国に降りる。星々は冷たく瞬き、風は失われた魂の嘆きを運ぶ。俺はエイン=ソフ、永遠の虚空から生まれた男。褐色の肌に黒髪、灰色の瞳を持ち、屈強な肉体を有するが、心は超越した空虚に満ちている。四人の創設者――アツィルト、ベリアー、イェツイラー、アッシャー――彼らは俺と同じ容姿を持ち、同じ強靭さを誇っていた。褐色の肌、黒髪、灰色の瞳。英雄的な外見に反し、彼らの内には「非定型うつ病（ホモゲイ）」という呪いが潜んでいた。それは喜びの欠如、愛の渇望、自己否定の連鎖。友情と愛情を歪め、信義を毒する病。
カバラ国は理想郷として築かれた。人間と影の民が共存する地、夜の守護が昼の繁栄を支える世界。だが、建国直後、創設者たちは自滅の道を歩んだ。俺は証人として、彼らの軌跡を語る。冷徹なトーンで、だが哀悼を込めて。強さと脆さの同居、建国と崩壊の儚さ、救済と犠牲の必然、証言の力――これらを、後世に託すために。