へっぽこ魔女と天才魔女のヒミツがヤバすぎた件〜1・山小屋に隠されたナゾ〜

この渦の正体を私・上総(かずさ)ありあは知っている。それも私のせい。半分は。本当なら自分で解決したいのに私はみなみと違っ

てなんでもうまくいかないへっぽこ魔女なんだから。それは前世、、、私が茨城阿修羅(いばらきあしゅら)だった頃も同じ。こんな

いい扱いを受けてるのに私はいまだにへっぽこ。

この渦が勝手にできるのは風燈による「力の錯乱」が起きているから。風燈。そう聞くとびっくりするだろうけど意味は簡単。

私は一人じゃない。私の身体の中には私を含め3人が棲んでいる。一人目は同い年の天才魔女でいつも私を揶揄う悠花。二人目は1つ年

下の男子でいつもなんか怒ってる槭樹(かえで)。このことをみなみは知らない。風燈とはこの3人の意識を30秒だけ消し、他人とは

違う方法でパワーをチャージすること。数ヶ月に一回ぐらい起きる。

「お前、姉貴にバラすなよ。ふっざけんなよ。」

頭に響くように聞こえたのは槭樹(かえで)の声。姉貴とは、、みなみのこと。槭樹(かえで)はこういう態度とは言えひとつ年下で

私の中に入っていると言えるからおかしい表現ではない。けれど初めて聞いた。槭樹(かえで)は他人を信用しないから。