へっぽこ魔女と天才魔女のヒミツがヤバすぎた件〜1・山小屋に隠されたナゾ〜

「ねえ!みなみ。みなみ?大丈夫」

目の前で私の肩を揺するのは妹・ありあだった。もう、ちょっとぼうっとしてただけなのに大袈裟(おおげさ)な。いつもと同じ紫の

ワンピースにミディアムで茶色の癖っ毛。隠すようにペンダントが下げられていて私と同じで普通に見ればペンダントが下げられている

ことは分からない。私とは仲がいい。けれど似ているのは顔だけ。性格も雰囲気も反対。

私たち「魔女」は基本的に同じセットの服を着る。サイズは自由に伸び縮みするものだから基本的に一生モノだ。その服が私はチェック

の胸まであるジャンバースカートとシャツ、黄色の羽織もの。私の羽織ものはスカートと同じ長さ。髪は薄めのピンクっていう珍しい色

してる。自分で言うのもなんだけど現世であろうか異世界であろうか目が行きやすい華やかな容姿してると思う。前世はこんなじゃなか

ったんだけどなぁ。対するありあは紫色のワンピースに癖っ毛っていうまあまあどこにでもありそうな容姿。

あ、そうそう。ペンダントは大事なものなの。私たちはペンダントから念じることでステッキを出すことができる。ステッキがなくても

私レベルなら魔法が使えるけどステッキがないと魔力がおかしくなったり吸い込まれやすくなったりする。だからステッキは重要。あり

あに至ってはステッキがないと魔法はまったく使えないし。ペンダント自体は私が黄色でありあは紫色。