僕は闘技場でのホムラの活躍に圧倒された。
同い年でありながら、彼女は圧倒的な実力を示し、上級生を倒した。
「ねえヒルコ、思い出したんだ。僕は、彼女みたいになりたい。僕も彼女のように活躍したいと思ったんだ」
あの日、僕は見ているだけだった。
今もそうだ。
でも、前に進みたい。
「ヒルコ、僕の夢は──」
激しい音が響いた。
それは建物が崩壊する音。
場所は近くだったのか、激しい砂煙が上がっているのが分かる。
「何が……」
やがてその正体は明らかになる。
音がした方から多くの人々が走ってきている。彼らは一様に告げる。
「モンスターが暴れてる! 全員逃げろ!」
崩壊する建物の隙間、そこに三メートルほどの巨体の牛型モンスターが見えた。
牛型モンスターは全身に電気を纏い、次々と建物を壊しながら進んでいる。
「あれって……ホムラが戦っていたテイマーの……っ?」
【ヒオリ、私なら奴を倒せる】
「え……っ!? た、倒せるって……?」
【契約上、私はお前の体内に入ってはいるが、外に出ることも可能だ。多少の時間制限はあるがな】
このままじゃ被害は拡大する一方。
それなら今ここで奴を倒さなきゃいけない。
でも僕が龍を体内に宿していると知られることになる。それは処罰に問われるだろうか。それとも──
──知ったことか!
「ヒルコ、みんなを救おう」
【ああ、行くぞ。ヒオリ】
僕の体内から龍が飛び出す。
白銀の鱗を纏った冷たい龍。
四足歩行で翼を生やし、空を舞って戦場へ向かう。
僕も人混みをかき分け、戦場へ。
●●●●●●
その頃、騒ぎを駆けつけ、現場近くにホムラが来ていた。
「あのモンスター……。テイマーがやけくそになったか、それとも──」
【ホムラ様、向かいますか】
火御がホムラの脳内へ話しかける。
「当然だ。既にあのモンスターは主従契約から解放され、魔力の制限がなくなった。つまりは本来の能力が解放されてしまった。そんなモンスターを止められるのは、こんな街じゃ私以外にはいない」
ホムラは腕輪についた三つの宝玉の一つに、魔力を込めた指先で触れる。宝玉の発光とともに、ホムラのそばには六つの尻尾を持つ狐が現れた。
大きさは二メートルほど、ホムラよりわずかに大きい。首には宝玉のついたネックレスが装備され、全身は太陽のような色合いの毛に包まれ、六つの尻尾が炎のように揺れる。
「さあ行くぞ。火御」
同い年でありながら、彼女は圧倒的な実力を示し、上級生を倒した。
「ねえヒルコ、思い出したんだ。僕は、彼女みたいになりたい。僕も彼女のように活躍したいと思ったんだ」
あの日、僕は見ているだけだった。
今もそうだ。
でも、前に進みたい。
「ヒルコ、僕の夢は──」
激しい音が響いた。
それは建物が崩壊する音。
場所は近くだったのか、激しい砂煙が上がっているのが分かる。
「何が……」
やがてその正体は明らかになる。
音がした方から多くの人々が走ってきている。彼らは一様に告げる。
「モンスターが暴れてる! 全員逃げろ!」
崩壊する建物の隙間、そこに三メートルほどの巨体の牛型モンスターが見えた。
牛型モンスターは全身に電気を纏い、次々と建物を壊しながら進んでいる。
「あれって……ホムラが戦っていたテイマーの……っ?」
【ヒオリ、私なら奴を倒せる】
「え……っ!? た、倒せるって……?」
【契約上、私はお前の体内に入ってはいるが、外に出ることも可能だ。多少の時間制限はあるがな】
このままじゃ被害は拡大する一方。
それなら今ここで奴を倒さなきゃいけない。
でも僕が龍を体内に宿していると知られることになる。それは処罰に問われるだろうか。それとも──
──知ったことか!
「ヒルコ、みんなを救おう」
【ああ、行くぞ。ヒオリ】
僕の体内から龍が飛び出す。
白銀の鱗を纏った冷たい龍。
四足歩行で翼を生やし、空を舞って戦場へ向かう。
僕も人混みをかき分け、戦場へ。
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その頃、騒ぎを駆けつけ、現場近くにホムラが来ていた。
「あのモンスター……。テイマーがやけくそになったか、それとも──」
【ホムラ様、向かいますか】
火御がホムラの脳内へ話しかける。
「当然だ。既にあのモンスターは主従契約から解放され、魔力の制限がなくなった。つまりは本来の能力が解放されてしまった。そんなモンスターを止められるのは、こんな街じゃ私以外にはいない」
ホムラは腕輪についた三つの宝玉の一つに、魔力を込めた指先で触れる。宝玉の発光とともに、ホムラのそばには六つの尻尾を持つ狐が現れた。
大きさは二メートルほど、ホムラよりわずかに大きい。首には宝玉のついたネックレスが装備され、全身は太陽のような色合いの毛に包まれ、六つの尻尾が炎のように揺れる。
「さあ行くぞ。火御」



