瀬織を守る。
強いお姉ちゃんになる。

変わらない私の目標。
これからも変わらない。
何があってもあきらめない。

欲しいものがあるだから、強くなろうともがくのは私が生きているから。

くじけそうになって、弱音を吐いて、うずくまることも出来た。
涙に暮れたこともあった。

(瀬織は最高の妹だもの。お姉ちゃんが強くならないと、守れないから)

これからはもっと瀬織の言葉を聞いて、お互いの欠けたピースを埋めていく。

いつまでも、この命尽きるときまで。
瀬織の代も、その次も、弓巫女の発展に力となりたいから――。

「風龍さま。水龍さま。ありがとうございました。口伝は繋ぎます。約束をした。その事実を忘れないように、何度も約束をかわします。どうかこれからもお見守りください」

「あたしは、白峰家の当主としてみんなをまとめていきます。衰退なんてさせません。水龍さまに誇りに思っていただけるよう、弓巫女を……。三大家門と絆を結び、より一層、世の安寧に尽力いたします」

これが私と瀬織の想い。
静芽と遊磨を巻き込んだ未来への約束だ。

「自分たちの力で道を開き、おかえりなさい」

涼やかな声が導きをくれた。
水龍が水となり、川のように流れて更に上にのぼっていく。

風龍はニカッとはにかんで、雲にのったまま水龍のあとを追った。


残された私たちは互いに目をあわせ、頷いて手を離す。
それぞれの武器を手に、大きく深呼吸をして私たちの道を切り開いた。

「「およずれごと 斬る(射る・貫く)が務め」」

水をまとった弓が放たれ、私は風で花びらを回せるように刃を振り下ろす。

「「現世へおかえしくださいませ‼」」