あれから10年が過ぎた。

巴瑠は地元で海洋生物の研究をしており、瑠偉は本土の大学で数学を教えている。光璃は念願だったガーデナーになり、沖縄で素晴らしい庭園を手がけていた。珠梨は音楽関係の仕事に就き、時々地元でライブを開いている。

そして美瑠は約束を果たし、看護師として沖縄に戻ってきた。

再会の夏祭りの夜、5人は再び同じ丘に集まった。

「あの時の花火、覚えてる?」美瑠が尋ねた。

「もちろん」みんなが口を揃えて答えた。

夜空に花火が上がる。10年前と同じように、しかし今度は大人になった5人で。

「青い夏の記憶って、色褪せないものなのね」光璃が呟いた。

巴瑠が笑った。「僕たちの友情も、この花火みたいに永遠に輝いてるんだ」

沖縄の青い夜空に響く、5人の笑い声。それは10年前の約束が、確かに守られた証だった。

おわり