Gペンと点描

ファミレスでおのおの好きなメニューを頼む。
そして話は漫画談義に。
「東雲先生はアナログ描きなんですね。俺としてはありがたいですけど」
「ああ、オレは一生ペンと紙で描くつもりだ。あのおろしたてのペン先のシャリシャリ音!アナログでしか味わえないんだよ」
「わかります!丸ペンは特にいい音しますよね!」
出会って間もないながら初めて共感した。

「そういや、少女漫画の主流は丸ペンだったな。オレは少年漫画だからGペンだな」
「丸ペンは他のペン先より高いんですよね。この間、行きつけの画材屋で原稿用紙やペン先のロット買いしてる人がいて本当羨ましい限りでした」
「……………」
慎之介は目が泳いでいる。
「それオレだわ」
「え!」
画材屋にいたのは長身のサングラスした男性。
「わ!俺たち出会ってたんですね」
「そうか、あのトーン売り場の前でやべー奴はお前だったのか…」
こんな偶然あるんだと、颯太はなんだか嬉しくなってしまう。

食事後、「明日からよろしく」と別れた。
颯太はご機嫌だった。
(東雲先生と相性がよさそうで良かった。明日からの仕事楽しみだな。…そういえばアシスタントは俺だけかな?)
連載するのだから一人じゃないはず……そう考えながらもボソッと呟く。
「俺以外はこないでほしいな……」
呟いてから口を抑える。
「何いってんだろ、俺」