「おっす竹中!」
「ういっす!」
「おはよう〜」
翌日、学校へ行くとクラスメイトであり颯太と同じ漫画家志望の友人・松山と梅田。
松山と梅田は同じ漫画雑誌や思考も似ていることから二人で描いている。
「見てくれよ〜今日の週刊誌の漫画賞!俺たち奨励賞になったんだぜ」
「へ〜すごい」
見せられたページを覗くと小さいながらも二人のペンネームとカットが載っている。
「賞金も五千円貰えるんだ。颯太、金入ったら三人で焼肉でも行こうな」
「うん。楽しみだね」
ニッコリ笑うが颯太は内心焦っていた。
「颯太はどうだったんだ?昨日、担当に作品見せに行ったんだろ?」
「うーん…駄目だったよ」
「そっか。颯太の担当さん、厳しいもんな〜」
そんな会話をしながら過ごし、昼休みになった。
おのおの昼ご飯を買いに行く中、マナーモードにしていた颯太のスマホが鳴った。
着信相手をみると担当からだ。
慌てて誰もいない場所に移動し、電話をとる。
『あー〜竹中君?僕……』
「はい、担当編集の!」
『そうそう。今、昼休みだったよね?少し時間大丈夫?』
「もちろんです!」
緊張し背筋がピーンとのびる。
『昨日、伝え忘れてたんだけどさ。実は編集部の人事異動で僕、少女誌から少年誌に移動になることになったんだよ』
「え……」
(なんだろ……胸の中が嫌な感覚になる。それ以上聞きたくない……気のせいであってほしい)
『今、バタバタしてるからさ。落ち着いたら引き継ぎの担当から連絡があると思うんで、悪いけど待ってて』
「はい…本当にお世話になりました」
『君も頑張ってな』
電話がプツンと切れる。
颯太はスマホを強く握り、動けなかった。
昼休みを終えるチャイムが鳴るとハッと我に返り、教室に戻る。
友人の松山と梅田は明らかに暗い表情の颯太に気づくも授業が始まるため声を掛けられずにいた。
授業が終わり、心配して話かけてくれる二人。
「どうしたよ?」
「ん〜……」
担当編集がいる颯太を羨ましがっていた二人に悩みを話すか悩んだ。
「ん〜じゃなくて話せよ」
「……わかった」
颯太は先程のことを話した。
「………ってことなんだけど」
「厳しい担当だったんなら良かったじゃん。次は優しい担当だといいな。美人でボインボインの担当とかだったら最高じゃん!……っ痛ぇ!」
「ばーか。それはお前の理想だろ」
松山は梅田をバシンとチョップをかます。
松山は颯太に目を向ける。
「実施解雇通知みたいなもんか…」
「まだ結果すら出してないから解雇ってのは大袈裟だけど…担当さんが居なくなっていたと考えていいかもな」
から笑いをしながらも焦りと困惑が顔にでている。
「どゆこと?」
梅田は首をひねる。
「編集ってのは一人で何人何十人と担当に付いてる。んで、連載しているプロの漫画家やそれなりに期待してる新人は担当が引き継ぐがそれ以下は切り捨てられるんだとよ」
「連絡するってたのにかよ」
「方便だろ。結果が全てだから何年も結果が出せないのは要らねぇワケよ」
「なんだよ〜それ〜」
「ま、憶測だから知らんけど」
松山と梅田はお互いに意見を交わす。
颯太もだが漫画業界のことは色々とわからないことばかりだ。
「まだ決まったわけじゃないし、でも頑張るよ」
二人に励まされ、何者にも縛られず掛けるんだと思うことにした。
放課後、行きつけの画材屋に行った。
「まだあった……」
漫画画材コーナーのスクリーントーンコーナーに直行。
デジタルが主流になりつつある中で有名メーカーが撤退したり廃盤が多くなってきた。
地味に漫画画材コーナーは縮小はじめている。
寂しい面もあるが嬉しありがたいこともある。
スクリーントーンが100円なのである。
人気の物は通常価格だが、撤退したメーカーのものは特に在庫処分で安く手に入る。
「やっぱテンション上がるるな〜俺が一番好きなキラキラトーンはあるかな〜」
キラキラトーンとは丸や五角形の形の周りに小さな点がキラキラと輝く点描。
少女漫画で主人公がドキドキした時に現れるアレである。
颯太はお金がないので、ちまちま手描きをしている。
「光る雪みたいなのもいいよな〜」
眺めているだけで少し気が紛れ、来てよかったと自分の世界に入っていた時……。
ドンと軽くぶつかる音。
ぶつかった方を見れば長身のサングラスの男性がいた。
「す、すみません。気づかなくて…」
「……………」
颯太がサッと避けると男性は何も言わないまま颯太の横を通る。
男性は原稿用紙コーナーでカゴに原稿用紙とペン先を大量に入れる。
(わ。ペン先をロット購入した!あんなに買って羨ましいなぁ……)
颯太は感心してみていた。
ふと男性と目が合うがすぐに目を反らしレジへ。
(なんか雰囲気が怖い人だったな。気づかず通路を妨げた自分が悪いけど)
「ういっす!」
「おはよう〜」
翌日、学校へ行くとクラスメイトであり颯太と同じ漫画家志望の友人・松山と梅田。
松山と梅田は同じ漫画雑誌や思考も似ていることから二人で描いている。
「見てくれよ〜今日の週刊誌の漫画賞!俺たち奨励賞になったんだぜ」
「へ〜すごい」
見せられたページを覗くと小さいながらも二人のペンネームとカットが載っている。
「賞金も五千円貰えるんだ。颯太、金入ったら三人で焼肉でも行こうな」
「うん。楽しみだね」
ニッコリ笑うが颯太は内心焦っていた。
「颯太はどうだったんだ?昨日、担当に作品見せに行ったんだろ?」
「うーん…駄目だったよ」
「そっか。颯太の担当さん、厳しいもんな〜」
そんな会話をしながら過ごし、昼休みになった。
おのおの昼ご飯を買いに行く中、マナーモードにしていた颯太のスマホが鳴った。
着信相手をみると担当からだ。
慌てて誰もいない場所に移動し、電話をとる。
『あー〜竹中君?僕……』
「はい、担当編集の!」
『そうそう。今、昼休みだったよね?少し時間大丈夫?』
「もちろんです!」
緊張し背筋がピーンとのびる。
『昨日、伝え忘れてたんだけどさ。実は編集部の人事異動で僕、少女誌から少年誌に移動になることになったんだよ』
「え……」
(なんだろ……胸の中が嫌な感覚になる。それ以上聞きたくない……気のせいであってほしい)
『今、バタバタしてるからさ。落ち着いたら引き継ぎの担当から連絡があると思うんで、悪いけど待ってて』
「はい…本当にお世話になりました」
『君も頑張ってな』
電話がプツンと切れる。
颯太はスマホを強く握り、動けなかった。
昼休みを終えるチャイムが鳴るとハッと我に返り、教室に戻る。
友人の松山と梅田は明らかに暗い表情の颯太に気づくも授業が始まるため声を掛けられずにいた。
授業が終わり、心配して話かけてくれる二人。
「どうしたよ?」
「ん〜……」
担当編集がいる颯太を羨ましがっていた二人に悩みを話すか悩んだ。
「ん〜じゃなくて話せよ」
「……わかった」
颯太は先程のことを話した。
「………ってことなんだけど」
「厳しい担当だったんなら良かったじゃん。次は優しい担当だといいな。美人でボインボインの担当とかだったら最高じゃん!……っ痛ぇ!」
「ばーか。それはお前の理想だろ」
松山は梅田をバシンとチョップをかます。
松山は颯太に目を向ける。
「実施解雇通知みたいなもんか…」
「まだ結果すら出してないから解雇ってのは大袈裟だけど…担当さんが居なくなっていたと考えていいかもな」
から笑いをしながらも焦りと困惑が顔にでている。
「どゆこと?」
梅田は首をひねる。
「編集ってのは一人で何人何十人と担当に付いてる。んで、連載しているプロの漫画家やそれなりに期待してる新人は担当が引き継ぐがそれ以下は切り捨てられるんだとよ」
「連絡するってたのにかよ」
「方便だろ。結果が全てだから何年も結果が出せないのは要らねぇワケよ」
「なんだよ〜それ〜」
「ま、憶測だから知らんけど」
松山と梅田はお互いに意見を交わす。
颯太もだが漫画業界のことは色々とわからないことばかりだ。
「まだ決まったわけじゃないし、でも頑張るよ」
二人に励まされ、何者にも縛られず掛けるんだと思うことにした。
放課後、行きつけの画材屋に行った。
「まだあった……」
漫画画材コーナーのスクリーントーンコーナーに直行。
デジタルが主流になりつつある中で有名メーカーが撤退したり廃盤が多くなってきた。
地味に漫画画材コーナーは縮小はじめている。
寂しい面もあるが嬉しありがたいこともある。
スクリーントーンが100円なのである。
人気の物は通常価格だが、撤退したメーカーのものは特に在庫処分で安く手に入る。
「やっぱテンション上がるるな〜俺が一番好きなキラキラトーンはあるかな〜」
キラキラトーンとは丸や五角形の形の周りに小さな点がキラキラと輝く点描。
少女漫画で主人公がドキドキした時に現れるアレである。
颯太はお金がないので、ちまちま手描きをしている。
「光る雪みたいなのもいいよな〜」
眺めているだけで少し気が紛れ、来てよかったと自分の世界に入っていた時……。
ドンと軽くぶつかる音。
ぶつかった方を見れば長身のサングラスの男性がいた。
「す、すみません。気づかなくて…」
「……………」
颯太がサッと避けると男性は何も言わないまま颯太の横を通る。
男性は原稿用紙コーナーでカゴに原稿用紙とペン先を大量に入れる。
(わ。ペン先をロット購入した!あんなに買って羨ましいなぁ……)
颯太は感心してみていた。
ふと男性と目が合うがすぐに目を反らしレジへ。
(なんか雰囲気が怖い人だったな。気づかず通路を妨げた自分が悪いけど)



