「はぁ…」

吐いた息は、白くはないけど心の中は真っ白で、色が無かった。

城から出てもせいぜい敷地内しか行動範囲が小さい。
門には強力な門番がいて、それを気づかれずぬけるのは不可能に近しい。
コッソリと、ひやりとした夜風に髪をなびかせながら歩き出した。