紅月の皇妃

自分の考えは甘すぎた。

紅い血が激しくなれば、本性はでる。それはわかっていたはずなのに・・・・。

白を通り越して透明とも言えるほどの色白の肌と、金色混じった瞳、黒々と光る髪、そして黒く落ちた翼のような影と小さな牙がそれを表していた。

(これでは、誰にも助けを求められない)

再びベッドに戻り、かけぶとんを頭の上までかぶる。
絹の枕が赤黒色に染まったとき、足音がした。

グレースはふだん、一階の使用人室で就寝している。
寝る時にグレースはこない。となったら・・・もしかして、オリファー・・・?

(見せられない・・・こんな姿)
いくらオリファーが紅月の令嬢だということを知ってるとは言え、人間離れしたこの姿を見せる勇気は無かった。

ドア越しにぼんやりと声が聞こえる。

「ミーシャ?どうしたの、開けて?なんだか声が・・・・」

入ってこないで。
そう言いたいのに、口を開こうとすれば、体の中の熱が喉元に逆流してきた。