「皇妃殿下のお腹にいる子は、怪しげな子ではないか?妊娠を隠していただなんて・・・・」

「ミーシャの腹の中にいる子が異物だというのか?この帝国に邪魔だと?」

オリファーの目に宿る光は、はっきりとした怒りだった。
16歳でありながら、その迫力は抗える者ではなく・・・。
伯爵をはじめとした群がっていた者たちは、すっきりとしない顔をしたまま膝をつき、会場を出て行った。

ミーシャを疑う者たちにオリファーは怒った。
けれど。ミーシャが何を隠しているかわからない。
肌を重ね合わせたあの時、ミーシャはそれを拒否しようとしていた。

ミーシャが紅月の令嬢だということは知っている。
けれど、ミーシャには僕にはまだ何か言えないことがある・・・?

考えても考えてもわからない。オリファーはミーシャの部屋へ向かった。