「ミーシャ、倒れちゃったのって本当?」

ミーシャは、こくんと頷いた。

「でも、だいじょうぶですわ。きっとただの・・・」

「だいじょうぶじゃないでしょう?」

ミーシャの声を遮って、オリファーは少しだけあせった声で言った。

「僕は、心配をしたんだよ?だって、出産したわけでもないのに、どうして倒れちゃうの?疲れてるの?」

もしかしたら、ヴァンパイアの本性が出る兆候かもしれない・・・・。

心の隅っこで渦巻いているそんな予感。もちろんそれを口に出すことはできない。

「本当に、なんでもないの。だから・・・帰って、下さらないかしら?」

そう言うと、オリファーはショボンとした顔をして、部屋を出ていった。