「お願い、泣いて・・・・!」

ミーシャは叫ぶようにお願いした。微かに震えた声。
赤ん坊は断じて泣かなかった。

「お願い!」

グレースが叫んだ途端、赤ん坊は少しだけ泣いた。

「う・・・うぁあああ」


その瞬間、外から声が聞こえた。

「皇子が・・・皇子がっ、お生まれになったぞ!!」

「ああ・・良かった・・・」

つぶやいた途端、ミーシャは、目の前が歪んで真っ白になる感覚がした。

ぷつんとコンセントをぬかれたみたいに、ミーシャの意識は途切れた。