今日はとうとう高校受験。
家を飛び出すと、十階建てのマンションのベランダから小学生ほどの少女が落ちるのが見えた。
ベランダからは母親と思われる人物が涙ながらに手を伸ばす。
──が、既に時は遅い。
「さえええええええ」
母親は必死に叫ぶが、少女は落ち続ける。
私はすぐさま少女の真下まで走るが、間に合わない。
だがそれは真下で受け止めるならの話。
私の魔法は──
「書く魔法」
私は少女に向け、『浮遊』という文字を人差し指で書く。
空中には私の指先から出た魔力が『浮遊』の文字を刻んだ。
やがて少女が地面に触れる寸前、空中で止まった。
いや、ふわふわと浮かんでいる。
私は浮かぶ少女を抱え、魔法を解除する。
「……!?」
少女は何が起こったのか分からず、呆然としていた。
やがて母親がやって来て、少女を預けた。
「ありがとうございます。娘を助けていただき」
「いえいえ。当然のことですよ」
泣きながらお礼を言う母親に、私は笑顔でそう言った。
「そっか。お姉ちゃんが助けてくれたんだ。ありがとう」
少女に笑顔でそう言われ、私は幸せを感じた。
ありがとう……か。
良いことをするのは気持ちが良いな。
私は幸せな気持ちに包まれながら、受験会場へ向かった。
家を飛び出すと、十階建てのマンションのベランダから小学生ほどの少女が落ちるのが見えた。
ベランダからは母親と思われる人物が涙ながらに手を伸ばす。
──が、既に時は遅い。
「さえええええええ」
母親は必死に叫ぶが、少女は落ち続ける。
私はすぐさま少女の真下まで走るが、間に合わない。
だがそれは真下で受け止めるならの話。
私の魔法は──
「書く魔法」
私は少女に向け、『浮遊』という文字を人差し指で書く。
空中には私の指先から出た魔力が『浮遊』の文字を刻んだ。
やがて少女が地面に触れる寸前、空中で止まった。
いや、ふわふわと浮かんでいる。
私は浮かぶ少女を抱え、魔法を解除する。
「……!?」
少女は何が起こったのか分からず、呆然としていた。
やがて母親がやって来て、少女を預けた。
「ありがとうございます。娘を助けていただき」
「いえいえ。当然のことですよ」
泣きながらお礼を言う母親に、私は笑顔でそう言った。
「そっか。お姉ちゃんが助けてくれたんだ。ありがとう」
少女に笑顔でそう言われ、私は幸せを感じた。
ありがとう……か。
良いことをするのは気持ちが良いな。
私は幸せな気持ちに包まれながら、受験会場へ向かった。


