「女湯の会話盗み聞きするなんて、やーい聖仁のむっつりスケベ野郎!」


キヒヒと悪い顔をした瑞祥さん。

またそんなこと言って。お風呂から上がったらどんな報復を受けることになるのやら。

その時、男湯の方から「よし皆、攻撃用意」と聖仁さんが声を上げる。

攻撃用意?


「よーし……撃て!」


みんなの笑い声と雄叫び声が重なった次の瞬間、天井の空いた部分から大量のお湯がバシャンッと降ってきた。

頭から被った私たちが悲鳴をあげると男湯に歓声が湧いた。


「この野郎〜ッ! 巫寿、入口にあったホース蛇口に繋ぐぞ!」

「ちょ、ホースは反則でしょ!」

「聖仁さんこっち水鉄砲あります!」


なんでお風呂場に水鉄砲があるの……。

男湯も女湯もツッコミ不在で、壁を隔てた水かけ戦争が勃発する。やがてお風呂のお湯が半分減ったところで和平条約が結ばれた。

泡風呂のお湯で遊んだせいで壁中泡だらけになっているけれど、これ千江さんに叱られないだろうか。