━━━━あれからしばらく経った。
妃月は公園のベンチでボーっと落ち葉を見つめていた。
一人暮らしをし家事すらまともにできずストレスを抱えた上に受験が控えている。
「やってらんない……」
自分のことで手一杯で椿のことも頼久のこともどうでもよくなった。
「私、頼久様のこと本気で愛していたのに…なんで椿なの」
頼久が例え一般家庭育ちだろうと構わないくらいに。
どうでもいいと思いながら未練がましく愚痴る。
頼久は駄目ならと以前パーティーで声を掛けた箕輪圭介という男に連絡しデートをしたが、デート中に実は30股をしており、妃月は31番目の女だと発覚し即縁切りをした。
「はー…気持ちいい風ね。……痛っ!」
妃月の顔面に何かが直撃。当たった物は赤色のゴムボール。
「ごめんなさい〜」
「すみません、お怪我はございませんか?」
ボールの持ち主であろう6歳〜7歳の少年と少年の父親らしき男性。
「って多い!なにこれ!」
父親らしき男性の後ろには10人ほどのガタイのいい黒服たちが一斉に駆け寄る。
「おや?汐倉家のお嬢様じゃないか」
「たしか花京院家のご当主、頼利様……じゃあこの子供は?」
少年をよく見ると花京院家主催のパーティーで座りながら食事をしていた行儀の悪い少年だった。
花京院4兄弟の末っ子。
「ぼくはかきょういんいたる!お姉さんは?」
「え?」
純は目をキラキラさせながら妃月を見つめていた。
「ぼく、お姉さんのこと好き〜けっこんして〜」
「ええ〜!」
(何いってんのこのマセガキ…)
純はぐいぐいくる。
「キャー純君の初恋〜今日はお祝いのパーティーしなくちゃねぇ〜おめでたいね〜」
頼利は叫びながら歓喜している。
(頼利様、パーティーと性格が違うわ。今はまるで親バカみたい)
頼利が拍手をすると黒服たちも一斉に拍手をおくった。
妃月はドン引きである。
「ってわけで純とお友達からどうかな?純は将来有望だよ?」
(有望だよ?って10歳以上離れてるじゃない!そりゃ花京院と繋がりができるのは汐倉家にいた時より嬉しいけど……私にガキのお守りさせる気〜無理無理……)
チラッと純をみれば変わらずキラキラした期待の目を向けている。
「…友達くらいなら」
純というより頼利や黒服たちの圧に負けてしまった。
「わぁ。お姉さんとけっこん〜」
純は妃月の胸に飛び込みギュッと抱きしめる。
それから妃月がどうなったかは誰も知らない。
【完】
妃月は公園のベンチでボーっと落ち葉を見つめていた。
一人暮らしをし家事すらまともにできずストレスを抱えた上に受験が控えている。
「やってらんない……」
自分のことで手一杯で椿のことも頼久のこともどうでもよくなった。
「私、頼久様のこと本気で愛していたのに…なんで椿なの」
頼久が例え一般家庭育ちだろうと構わないくらいに。
どうでもいいと思いながら未練がましく愚痴る。
頼久は駄目ならと以前パーティーで声を掛けた箕輪圭介という男に連絡しデートをしたが、デート中に実は30股をしており、妃月は31番目の女だと発覚し即縁切りをした。
「はー…気持ちいい風ね。……痛っ!」
妃月の顔面に何かが直撃。当たった物は赤色のゴムボール。
「ごめんなさい〜」
「すみません、お怪我はございませんか?」
ボールの持ち主であろう6歳〜7歳の少年と少年の父親らしき男性。
「って多い!なにこれ!」
父親らしき男性の後ろには10人ほどのガタイのいい黒服たちが一斉に駆け寄る。
「おや?汐倉家のお嬢様じゃないか」
「たしか花京院家のご当主、頼利様……じゃあこの子供は?」
少年をよく見ると花京院家主催のパーティーで座りながら食事をしていた行儀の悪い少年だった。
花京院4兄弟の末っ子。
「ぼくはかきょういんいたる!お姉さんは?」
「え?」
純は目をキラキラさせながら妃月を見つめていた。
「ぼく、お姉さんのこと好き〜けっこんして〜」
「ええ〜!」
(何いってんのこのマセガキ…)
純はぐいぐいくる。
「キャー純君の初恋〜今日はお祝いのパーティーしなくちゃねぇ〜おめでたいね〜」
頼利は叫びながら歓喜している。
(頼利様、パーティーと性格が違うわ。今はまるで親バカみたい)
頼利が拍手をすると黒服たちも一斉に拍手をおくった。
妃月はドン引きである。
「ってわけで純とお友達からどうかな?純は将来有望だよ?」
(有望だよ?って10歳以上離れてるじゃない!そりゃ花京院と繋がりができるのは汐倉家にいた時より嬉しいけど……私にガキのお守りさせる気〜無理無理……)
チラッと純をみれば変わらずキラキラした期待の目を向けている。
「…友達くらいなら」
純というより頼利や黒服たちの圧に負けてしまった。
「わぁ。お姉さんとけっこん〜」
純は妃月の胸に飛び込みギュッと抱きしめる。
それから妃月がどうなったかは誰も知らない。
【完】



