「来月の社交パーティーに参加してもらいたいんだ」
「え?」
社交パーティーなんて珍しいわけじゃないのだが妃月は「椿も?」と喉まで出かかりやめる。
「花京院財閥は知っているな?このパーティーは花京院財閥が主催の大規模なパーティーに招待されたんだ」
花京院財閥は5本の指に入るほどの大財閥。普段は高貴ゆえか社交パーティーにも現れないので、名前くらいは知っている程度だ。
花京院財閥に比べれば汐倉家など蟻ん子レベルなはず。なぜ招待を?
「私のところではなく父さんの方に招待がきたのですか?」
「花京院財閥のジジイとワシが昔馴染みなもんでな。現当主がまだ子供だった時に世話してやったワシらに気を使って招待したんだろうな」
「し、知らなかった……」
妃月の父親は目を丸くし驚いていた。
「ワシらはもうの年で、人が多い場所は疲れてしまう。だが、せっかくの招待を無駄にしたくないと椿と妃月にどうかと思ったんだ」
「わ、私たちで参加してよろしいの?花京院財閥側はお爺様にお会いしたいのではなくて?」
「構わん。向こうは孫娘がいるなんて知らないから驚かせてやれ」
祖父は椿を見ながら子供っぽくニヤニヤと笑う。
汐倉家としても花京院財閥に繋がるきっかけになるのは好都合。
祖父同士の仲は良くとも家同士となると話は別。
「おほほっ。お爺さんったら、本当の目的は違うでしょう。わざわざ電話越しじゃなくてこうやって対面で大事なお話しに来たんだから」
「……うむ。」
祖母に見透かされて口をモゴモゴさせる祖父。
「これはワシの知人から聞いたんだが、花京院が今回の大規模パーティーをわざわざ開催するのは倅の婚活のためらしいぞ」
「花京院の爺様に直接聞けばいいのに、怖がって可愛いわね〜おほほほっ」
楽しそうにいじる祖母に祖父はタジタジだった。
「あのジジイも我が子のためにと同じことやっていたからな。ありうる……」
(婚活……!)
妃月は食いついた。
「お爺様、花京院のお孫様のことを教えてください。どんな方ですの?」
「ワシは1番目の孫ができた時に祝いに行ったことがある。あやつ、初孫の誕生に骨抜きにされておったわ」
懐かしそうに祖父は語るが妃月にとってはどうでもいい話。知りたいのは今の御曹司情報だけ。
「たしか三兄弟だか四兄弟って聞いたわ。次男はすでに婚約者がいるそうよ」
(つまり2〜3回はチャンスあるってことよね!まっ、次男も略奪してやればいいわ!)
「顔はどうなんです!」
「長男が赤ちゃんの時に会ったっきりだから知らないわ。でもあそこのお爺様も現当主の息子さんもとても男前だったからお孫さんもきっと素敵なんじゃないかしらね」
それを聞いた妃月は目を輝かせ、自分が花京院財閥の若奥様にでもなった妄想をした。
(狙いは長男ね。お父様は汐倉家のことを考えて長男以外を婿養子にしろとおっしゃるでしょうが、家なんてどうでもいい。汐倉家の跡継ぎは椿に任せて、私は花京院財閥の妻の座を手に入れるんだから!!)
妃月には絶対に選ばれる自信があった。
さっそくドレスをお父様におねだりしなければとニヤリと笑った。
「先方には伝えておく」
「はぁ〜い!」
「……はい」
乗り気な妃月と気乗りしない椿であった。
「え?」
社交パーティーなんて珍しいわけじゃないのだが妃月は「椿も?」と喉まで出かかりやめる。
「花京院財閥は知っているな?このパーティーは花京院財閥が主催の大規模なパーティーに招待されたんだ」
花京院財閥は5本の指に入るほどの大財閥。普段は高貴ゆえか社交パーティーにも現れないので、名前くらいは知っている程度だ。
花京院財閥に比べれば汐倉家など蟻ん子レベルなはず。なぜ招待を?
「私のところではなく父さんの方に招待がきたのですか?」
「花京院財閥のジジイとワシが昔馴染みなもんでな。現当主がまだ子供だった時に世話してやったワシらに気を使って招待したんだろうな」
「し、知らなかった……」
妃月の父親は目を丸くし驚いていた。
「ワシらはもうの年で、人が多い場所は疲れてしまう。だが、せっかくの招待を無駄にしたくないと椿と妃月にどうかと思ったんだ」
「わ、私たちで参加してよろしいの?花京院財閥側はお爺様にお会いしたいのではなくて?」
「構わん。向こうは孫娘がいるなんて知らないから驚かせてやれ」
祖父は椿を見ながら子供っぽくニヤニヤと笑う。
汐倉家としても花京院財閥に繋がるきっかけになるのは好都合。
祖父同士の仲は良くとも家同士となると話は別。
「おほほっ。お爺さんったら、本当の目的は違うでしょう。わざわざ電話越しじゃなくてこうやって対面で大事なお話しに来たんだから」
「……うむ。」
祖母に見透かされて口をモゴモゴさせる祖父。
「これはワシの知人から聞いたんだが、花京院が今回の大規模パーティーをわざわざ開催するのは倅の婚活のためらしいぞ」
「花京院の爺様に直接聞けばいいのに、怖がって可愛いわね〜おほほほっ」
楽しそうにいじる祖母に祖父はタジタジだった。
「あのジジイも我が子のためにと同じことやっていたからな。ありうる……」
(婚活……!)
妃月は食いついた。
「お爺様、花京院のお孫様のことを教えてください。どんな方ですの?」
「ワシは1番目の孫ができた時に祝いに行ったことがある。あやつ、初孫の誕生に骨抜きにされておったわ」
懐かしそうに祖父は語るが妃月にとってはどうでもいい話。知りたいのは今の御曹司情報だけ。
「たしか三兄弟だか四兄弟って聞いたわ。次男はすでに婚約者がいるそうよ」
(つまり2〜3回はチャンスあるってことよね!まっ、次男も略奪してやればいいわ!)
「顔はどうなんです!」
「長男が赤ちゃんの時に会ったっきりだから知らないわ。でもあそこのお爺様も現当主の息子さんもとても男前だったからお孫さんもきっと素敵なんじゃないかしらね」
それを聞いた妃月は目を輝かせ、自分が花京院財閥の若奥様にでもなった妄想をした。
(狙いは長男ね。お父様は汐倉家のことを考えて長男以外を婿養子にしろとおっしゃるでしょうが、家なんてどうでもいい。汐倉家の跡継ぎは椿に任せて、私は花京院財閥の妻の座を手に入れるんだから!!)
妃月には絶対に選ばれる自信があった。
さっそくドレスをお父様におねだりしなければとニヤリと笑った。
「先方には伝えておく」
「はぁ〜い!」
「……はい」
乗り気な妃月と気乗りしない椿であった。



