朝から頼久と頼朝はバチバチしていた。
「オレが椿をもらう。スペックより中身を見てくれる女なんてそうそういないからな。しかも可愛いし、長男の妻の責務より三男のオレのが気楽だろ」
「椿には苦労かけるが渡さない」

「ほへ〜頼朝様ってツンデレとかヤンデレの類いだったんスね〜」
「黙っとけ」
左京右京は兄弟喧嘩?を眺めている。

「昨晩、お爺様に連絡をした。椿の話ではうちのお爺様と椿のお爺様はご友人だそうだからな」
「それで?」
「丁度、椿の祖父母と一緒に麻雀していらした」
「爺さんたち元気かよ!」
頼朝はツッコむ。
「汐倉家について話をしたんだが、椿の祖父によると"花京院家が手を下す必要はない”そうだ」
「ハァ?自分の一族の保身かよ」
「何か狙いがあるような言い方だったな。しばらく様子を見るから勝手なことはするな。左京右京もだ」
「チッ…わかった」
「うぃっス〜」
「かしこまりました」
仕方なさそうに頷く三人。
昨晩説得したものの念のためだ。念のため。