椿がやって来ると頼朝は足を組み悪態をつく。
「オレはお前を信用してねぇ。お前の素性や家庭のこと話せよ」
「えっ……それは……」
「恋人の兄貴に話せないのか?ここに世話になるんだろ。オレも兄貴もあの女に気が立ってるんだよ。付け回されたら迷惑なワケ!」
頼久の制止を聞かず、グイグイくる頼朝の気迫にタジタジの椿。
「わかりました」
椿は話しはじめた。母のこと、汐倉家に引き取られたことを。
母から父は「優しくて思いやりのある人」だと聞いていたが、引き取られてからは父親は無関心、妃月の母親は椿の母を恨み憎しみ椿にぶつけ、妃月は優しい姉だったが「家庭が壊されたのは椿のせい」と豹変し妃月の母親と一緒に虐げた。
当時を知る古株の使用人に冷たくされ、居場所もなくただ毎日のように「お前のせいだ」「お前が全て悪い」「お前さえいなければ」と聞いて育った椿は根暗でネガティブな性格になり目立たないように地味に生きてきた。
「椿……」
頼久は椿の肩を抱き寄せる。
椿の目には滝のような大粒の涙がこぼれた。
話しながら気づいた。
あと何年あと少しで高校卒業したら…と考え我慢してきたが、もう自分は限界を超えていたことに。
頼朝は目を瞑り椿の話を聞いていたが、心の中では怒りともとれる気持ちだった。
「頼久様、私なんかより妃月様を恋人にしてあげてください。私じゃ…駄目なんです…私のせいでご迷惑はかけられませんから」
椿は頼久に必死に訴える。
頼久に好意を持たれ自信がつき、妃月に反抗し強気にでたり、足りない事は努力で補おうとしたが調子に乗ったバチが当たった。
「……たしかにお前のせいだ。お前さえいなければ……」
頼久の言葉に傷つく椿。
「俺はお前のせいで心を奪われることなく正常を保てていた…お前のせいで四六時中お前のことを考えてしまう……だからお前は責任を取れ。俺の側にいろ。いいな?」頼久は椿を強く抱きしめ優しいキスをした。
「椿、生まれてきてくれてありがとう。俺は出会えたことに感謝している。だから自分を責めるな」
「はいっ……はいっ!」
……生まれてきてくれてありがとう。椿が一番欲しかった言葉だ。
「オレはお前を信用してねぇ。お前の素性や家庭のこと話せよ」
「えっ……それは……」
「恋人の兄貴に話せないのか?ここに世話になるんだろ。オレも兄貴もあの女に気が立ってるんだよ。付け回されたら迷惑なワケ!」
頼久の制止を聞かず、グイグイくる頼朝の気迫にタジタジの椿。
「わかりました」
椿は話しはじめた。母のこと、汐倉家に引き取られたことを。
母から父は「優しくて思いやりのある人」だと聞いていたが、引き取られてからは父親は無関心、妃月の母親は椿の母を恨み憎しみ椿にぶつけ、妃月は優しい姉だったが「家庭が壊されたのは椿のせい」と豹変し妃月の母親と一緒に虐げた。
当時を知る古株の使用人に冷たくされ、居場所もなくただ毎日のように「お前のせいだ」「お前が全て悪い」「お前さえいなければ」と聞いて育った椿は根暗でネガティブな性格になり目立たないように地味に生きてきた。
「椿……」
頼久は椿の肩を抱き寄せる。
椿の目には滝のような大粒の涙がこぼれた。
話しながら気づいた。
あと何年あと少しで高校卒業したら…と考え我慢してきたが、もう自分は限界を超えていたことに。
頼朝は目を瞑り椿の話を聞いていたが、心の中では怒りともとれる気持ちだった。
「頼久様、私なんかより妃月様を恋人にしてあげてください。私じゃ…駄目なんです…私のせいでご迷惑はかけられませんから」
椿は頼久に必死に訴える。
頼久に好意を持たれ自信がつき、妃月に反抗し強気にでたり、足りない事は努力で補おうとしたが調子に乗ったバチが当たった。
「……たしかにお前のせいだ。お前さえいなければ……」
頼久の言葉に傷つく椿。
「俺はお前のせいで心を奪われることなく正常を保てていた…お前のせいで四六時中お前のことを考えてしまう……だからお前は責任を取れ。俺の側にいろ。いいな?」頼久は椿を強く抱きしめ優しいキスをした。
「椿、生まれてきてくれてありがとう。俺は出会えたことに感謝している。だから自分を責めるな」
「はいっ……はいっ!」
……生まれてきてくれてありがとう。椿が一番欲しかった言葉だ。



