二人が連れて行かれる様子を見つめる。
「倫太郎、母様を助けて!貴方から青龍家に取り次いで。私は何も悪くないと」
千鶴は今や倫太郎一筋に意識を向けていた。
そんな母親の姿に倫太郎は失望した。
「母上、もう僕は貴方に耳を傾けません。貴方は触れてはいけない領域に足を踏み込んだのです。責任はしっかりと取って頂きます」
「倫太郎、この母を裏切るの?」
「裏切る?はは、僕は貴方の駒であったことは無い。もう二度と会うこともないでしょう」
それを最後に泣きながら喚く幸舞と共に千鶴は連行されて行った。
「源門様、後の事は僕に任せて頂けますか?」
倫太郎はその様子を見つめればポツリと呟く。
「腐っても僕は九頭龍家の人間。今回の件で失態を犯した母親達は勿論、僕も責任を背負うつもりです。必要であれば補佐の座を降りる覚悟もございます」
「待ちなさい倫太郎。お前一人に背負わせる訳にはいかない」
「…父上」
倫太郎の後から遅れて父が顔を出す。
その顔は酷く疲れ、やつれた表情をしていた。
「九頭龍家の主人でありながら妻と娘を止められなかった。幸華の立場を知っていて向き合うことから逃げ続けた結果がこのザマだ。今回の原因は全て私にある。どうか青龍様、息子と幸華だけは許してやって下さい」
父は源門に深く頭を下げた。
倫太郎は驚くも一緒に頭を下げれば暫し静寂な時間が流れる。
「やれやれ、君達親子はいつも謝まるね」
源門は困ったように笑って二人を見つめた。
「幸舞に関する情報を見誤ったのは青龍家の問題でもある。長年の付き合いだ。今更、九頭龍家との交流を切るつもりはないさ。お前達には世話になったからな。だが今回の責任者は僕ではなく史文、お前だ」
源門が呼べば史文は前に出る。
この後の処遇をどうするのか、源門は史文に全てを任せることにしたようだ。
「九頭龍家の亭主、並びに左近・倫太郎。お前達を我が家紋・龍一族の名から剝奪する。九頭龍家は今後一切、いかなる場合においても九頭龍の名を公に出すことを許さん」
つまりは九頭龍家から九頭家に。
本来の立ち位置へと階級が下がったのだ。史文は幸華の手を取ると二人の前に連れてくる。
「幸華、お前が稀血と分かった以上、これから危険は常に付き纏うだろう。青龍家は惜しみなくお前を保護すると同時に九頭家への援助も行おう」
「それって!」
「ああ、二人に処罰はない。これまで通り青龍家は交流を続ける」
史文の言葉に幸華は嬉しくなった。
倫太郎達は顔を見合わせ何度も感謝を述べる。一からもう一度、本来の形で再スタートを切るのだ。
「俺は幸華が好きだから。だから稀血の花嫁でなくても気持ちは変わらないさ。今度こそ守りたい。どうか俺の婚約者になってくれないだろうか?」
「史文様…はい、勿論です」
差し出された手を取れば史文は愛おしそうに幸華を見つめた。源門はその様子を見届けると会場にいる妖達に向き直る。
「皆〜今の言葉は聞いたね~?青龍家では真の稀血の花嫁が見つかり、新なる婚約者が誕生した。この輝かしい日に乾杯といこうではないか!」
その合図に妖達はグラスを取り合えば、幸華に向けた祝いの言葉が述べられた。ニュースに取り上げられるのも時間の問題だろう。名ばかりの婚約者ではあるが、それでもきっと史文の側にいれば大丈夫だと幸華は感じるのだった。
「倫太郎、母様を助けて!貴方から青龍家に取り次いで。私は何も悪くないと」
千鶴は今や倫太郎一筋に意識を向けていた。
そんな母親の姿に倫太郎は失望した。
「母上、もう僕は貴方に耳を傾けません。貴方は触れてはいけない領域に足を踏み込んだのです。責任はしっかりと取って頂きます」
「倫太郎、この母を裏切るの?」
「裏切る?はは、僕は貴方の駒であったことは無い。もう二度と会うこともないでしょう」
それを最後に泣きながら喚く幸舞と共に千鶴は連行されて行った。
「源門様、後の事は僕に任せて頂けますか?」
倫太郎はその様子を見つめればポツリと呟く。
「腐っても僕は九頭龍家の人間。今回の件で失態を犯した母親達は勿論、僕も責任を背負うつもりです。必要であれば補佐の座を降りる覚悟もございます」
「待ちなさい倫太郎。お前一人に背負わせる訳にはいかない」
「…父上」
倫太郎の後から遅れて父が顔を出す。
その顔は酷く疲れ、やつれた表情をしていた。
「九頭龍家の主人でありながら妻と娘を止められなかった。幸華の立場を知っていて向き合うことから逃げ続けた結果がこのザマだ。今回の原因は全て私にある。どうか青龍様、息子と幸華だけは許してやって下さい」
父は源門に深く頭を下げた。
倫太郎は驚くも一緒に頭を下げれば暫し静寂な時間が流れる。
「やれやれ、君達親子はいつも謝まるね」
源門は困ったように笑って二人を見つめた。
「幸舞に関する情報を見誤ったのは青龍家の問題でもある。長年の付き合いだ。今更、九頭龍家との交流を切るつもりはないさ。お前達には世話になったからな。だが今回の責任者は僕ではなく史文、お前だ」
源門が呼べば史文は前に出る。
この後の処遇をどうするのか、源門は史文に全てを任せることにしたようだ。
「九頭龍家の亭主、並びに左近・倫太郎。お前達を我が家紋・龍一族の名から剝奪する。九頭龍家は今後一切、いかなる場合においても九頭龍の名を公に出すことを許さん」
つまりは九頭龍家から九頭家に。
本来の立ち位置へと階級が下がったのだ。史文は幸華の手を取ると二人の前に連れてくる。
「幸華、お前が稀血と分かった以上、これから危険は常に付き纏うだろう。青龍家は惜しみなくお前を保護すると同時に九頭家への援助も行おう」
「それって!」
「ああ、二人に処罰はない。これまで通り青龍家は交流を続ける」
史文の言葉に幸華は嬉しくなった。
倫太郎達は顔を見合わせ何度も感謝を述べる。一からもう一度、本来の形で再スタートを切るのだ。
「俺は幸華が好きだから。だから稀血の花嫁でなくても気持ちは変わらないさ。今度こそ守りたい。どうか俺の婚約者になってくれないだろうか?」
「史文様…はい、勿論です」
差し出された手を取れば史文は愛おしそうに幸華を見つめた。源門はその様子を見届けると会場にいる妖達に向き直る。
「皆〜今の言葉は聞いたね~?青龍家では真の稀血の花嫁が見つかり、新なる婚約者が誕生した。この輝かしい日に乾杯といこうではないか!」
その合図に妖達はグラスを取り合えば、幸華に向けた祝いの言葉が述べられた。ニュースに取り上げられるのも時間の問題だろう。名ばかりの婚約者ではあるが、それでもきっと史文の側にいれば大丈夫だと幸華は感じるのだった。



