人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

 竜輝が俺の方へすっと一歩二歩歩み出ると、手を伸ばして俺の身体を抱き締めた。
 竜輝の手が俺の背中に触れた際、まるでガラス細工を扱うかのような柔らかい手つきだった為に、俺の心臓が少しだけ飛び跳ねる。

「すきだよ。ずっと一緒にいようね」
「ああ。お前の事うっとおしいって思う事もあるかもしれないけど……それでもずっと一緒にいてほしい」
「わがままだね。なんちゃって」
「お前ほんと……どこでそんなの覚えてきたんだよ」

 竜輝の広い背中はあったかくて、ずっと手のひらで温度を感じていたいと思う程だ。

「今日から恋人同士だね」
「ああ、そうなるな」
「おい、蓮也と竜輝。お楽しみ中申し訳ないけど、もう時間が……」

 げ。今が体育祭だって事全部脳みそから吹き飛んでたわ。忍に言われなきゃ気が付かなかった。
 お互い気まずそうにばっと身体から離れる。

「すまん! またな」
「うん!」

 俺に向けて笑顔で手を振って自分の席へ走っていく竜輝が、ただただ可愛くてたまらなくて、ああやっぱりこいつを好きでいてよかったななんて思っていたのだった。