人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

「れんくん!」

 目の前には、肩で息をする竜輝が立っている。俺は導かれるようにして椅子からゆっくりと立ち上がったけど、竜輝から放たれようとしている言葉に期待と怖さが止まらないでいた。

「りゅう、き……」

 お前は……。俺を好きで居てくれるよな? 傲慢な考えなのはわかってるけど、それに縋り付く事でしか俺はもう生きていけないくらいに堕ちている。
 それにもしここで告白されたら、主張timeはチャラでいっか。なんて邪な考えもよぎった。でもそれじゃだめなのはわかってる。

「竜輝……言いたい事があるなら、言ってくれ」
「おれは、れんくんがすきです!」

 大きな声を張り上げて、俺への愛をぶつける竜輝。対する俺は自身が世界で一番言われたい言葉を全身で受け止める。
 不思議な事に、周囲のざわめきが全然気にならない。まるで世界に俺と竜輝の2人だけがいるみたいだ。

「それとあの時……れんくんに知らせずに別の中学へ行ってごめんなさい」
「!」

 え、いきなりあの時の謝罪かよ。これはとにかく想定外だ。さっきまで脳内で乱舞していた言葉が、さーーっと一斉に脳みそから消える。

「忍さんかられんくんの感情とか……全部聞いた。忍さんのおかげでおれはれんくんともう一度向き合う事にした」
「竜輝……」
「おれはれんくんが大好きです!! 誰が何と言おうともずっと好きです‼」

 今までで一番大きくて熱と迫力のある声なのは間違いない。なあ、こんな人気者で俺とは住む世界が違うやつから真っすぐな好意を向けられるなんて俺は幸せ者じゃねえか?
 俺もお前が好きだと声に出したくて高鳴る胸を右手で押さえる。だって今はその時じゃねえ。まだだ。耐えろ。

「竜輝、わかった」
「最後の借り物、好きな人なんだ。手を取ってほしい」
「おうよ……!」

 差し出された右手はごつごつとしている。でも熱くて手汗まみれで……なんだか愛おしい。