「あ、ごはんバーガーは海老カツね! 勝負事の前にはカツを食べて力をいれないと……!」.
「あ、あざ~っす」

 海老カツも好きだから嬉しいけど、今日の夕飯なんだろ? う~んこれだけ貰ったら俺の胃袋もつかなあ? でもありがたいので受け取る。もし食べられなかったら父親にも食べるように勧めればいいし。

「すみません、照り焼きのごはんバーガー5つください。持ち帰りで」
「え、忍!」
「おう、部活終わりのおやつにな」

 俺のレジの前に立っている忍に気が付かなかった……どうやら忍の}同伴者はいなさそう。だけど店の外で竜輝がちらちらこっちを見ているのが遠目から見えた。
 入りたいけど入れない、入っては行けない。そんな感じかもしれない。

「はい、おつり」
「おう」

 その後、商品を受け取った忍はじゃ、あしたな。と俺に軽く挨拶をしてお店を出ていく。
 店の外で待機していた竜輝にごはんバーガーを2つ手渡していたのを見た俺は、いよいよ明日か……。と心の中でつぶやいた。

(うおおおおおおおおお緊張してきたああああああ!!)

 呟いただけで緊張の感情がが芽を出して巨木になっていった。
 だけどバイト中なので今すぐにでも絶叫したいこの気持ちに蓋をする。そう、マンホール位のでっかい蓋を。

「桜井君、なんか顔が歪んでいるけどどうしたの?」
「あっやっ別に……なんもないっす……」

 顔に出やすいの、どうにかしたい……。