人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

 そんなに食うのかよ……。とあっけに囚われている中、忍は上段のタッパーと中段のタッパーをそれぞれ下段のタッパーの隣に並べてぱかぱかと蓋を開けていった。

「お前食い過ぎじゃね」
「もたねんだよ。今日から新しくできたジムでウェイトも始まるし」
「大変だなあ……」
「ま、ほとんど残りもんとかだから」

 煮っころがしなどは家族が作りすぎたものなんだとか。それでもこの量を揃えて来るのはすごいと思う。本当に。

「よし、食うか。ああ、そうだ」
「どうした忍」

 忍が煮っころがしのニンジンを頬張りながら、今日の朝練で聞いた事なんだけど。と口にする。

「お前竜輝となんかあった?」
「へ」
「竜輝がお前とは一緒に来なかったから」
「……竜輝はなんて言ってたの」

 ここで忍は口を閉ざし、もごもごと食べていた煮っころがしの鶏肉を飲み込んでから再度口を開いた。その焦らしが俺の心臓がきゅっと握られたかのような感覚に至らせてしまう。

「れんくん、またうっとおしくさせてたかも……って言ってた」
「竜輝……」

 俺をまたうっとおしくさせていたかもしれなくて、やっぱり俺から離れた方がいいんじゃないか。という迷いに似た感情を竜輝は忍に吐き出したという。
 またうっとおしく? どういう事だ……? またと言う事は以前やらかしたという自覚があるような発言に聞こえるけど。

「言える範囲で良いから、何があったんだ? 怒ったりしねえから聞かせてほしい」

 懇願するかのような忍の目つきに、俺はわかった。とこれまで竜輝へ向けていた感情を忍に一度話している内容も含めて全て語る事にした。