食事を済ませた後、俺は自室に戻った。食後のデザート代わりに竜輝からもらったみかんを1個手にして。
「……ほんと、これだったな。竜輝の唇」
みかんの皮を剥いて、実を歯で噛み占める。一瞬歯の先がぷりっとしたみかんの食感を捉えたので、思わずさっきのキスを思い出してしまった。
「……なんか、竜輝の唇を食べているみたい」
って何考えてるんだ俺! 竜輝の唇がみかんみたいってのはいいとして、竜輝の唇を食べるってその……あほか。
「ん~……」
竜輝の唇を食べたいと感じたのは俺なのに、今はこれでもかというくらいの羞恥心が牙をむいて襲い掛かってきている。
「あほか、俺」
でも、羞恥心の奥底では、もう1度したいというのと、竜輝が俺を求めてくれた事への嬉しさがあるように見えた。
「……やっぱり竜輝は、俺の事忘れてないし、どうでもよくなかったんだ」
じゃないとキスなんてしてくれないし。うん、そうだと思いたい。俺は竜輝から必要とされているし求められている。キスがその証だ。
と、己に何度も言い聞かせながら、心の隅に残った不安を消す。
「そうだ。もう中学の時のような事は起こらない。だから大丈夫」
「……ほんと、これだったな。竜輝の唇」
みかんの皮を剥いて、実を歯で噛み占める。一瞬歯の先がぷりっとしたみかんの食感を捉えたので、思わずさっきのキスを思い出してしまった。
「……なんか、竜輝の唇を食べているみたい」
って何考えてるんだ俺! 竜輝の唇がみかんみたいってのはいいとして、竜輝の唇を食べるってその……あほか。
「ん~……」
竜輝の唇を食べたいと感じたのは俺なのに、今はこれでもかというくらいの羞恥心が牙をむいて襲い掛かってきている。
「あほか、俺」
でも、羞恥心の奥底では、もう1度したいというのと、竜輝が俺を求めてくれた事への嬉しさがあるように見えた。
「……やっぱり竜輝は、俺の事忘れてないし、どうでもよくなかったんだ」
じゃないとキスなんてしてくれないし。うん、そうだと思いたい。俺は竜輝から必要とされているし求められている。キスがその証だ。
と、己に何度も言い聞かせながら、心の隅に残った不安を消す。
「そうだ。もう中学の時のような事は起こらない。だから大丈夫」



