それから竜輝は学校であった事などを身振り手振りを交えて教えてくれる。忍は今日は唐揚げ定食のご飯特盛にナゲット盛り合わせを食べただとか、竜輝のクラスでの公民の授業でアイデンティティってなんぞや? って話になった事とか。
「アイデンティティ、ねえ……」
「れんくん、おれのアイデンティティって何だと思う?」
「ワンコみたいなとこ」
「え~? もっとないの?」
お前のアイデンティティはそういう所だと思うのだが。コイツの元気いっぱいなテンションに対して、うっとおしい気持ちとそこは変わらなくてよかったという安心感を感じる。
「りゅうくん!」
竜輝の話の途中、部屋の外の廊下から母親が呼びかけてきたので、竜輝共々うわっと情けない驚きの声をあげてしまった。でもよかった、キスしてる所じゃなくて。
「どうしたのおかん」
「りゅうくんのお母さん迎えに来ているわよ」
「え、もうそんな時間?!」
気が付けば時計は18時過ぎを指していた。思った以上にコイツと一緒にいたなんて。でもしんどさとかは感じなかったな……。
「れんくん帰るね。続きはレインで!」
「ほいほい。すまんな長い事」
「謝らないでよ、れんくんの顔が見れてよかった!」
去っていく竜輝の広い背中を見て俺は、こいつとキスしたんだな……と振り返ったのだった。
「アイデンティティ、ねえ……」
「れんくん、おれのアイデンティティって何だと思う?」
「ワンコみたいなとこ」
「え~? もっとないの?」
お前のアイデンティティはそういう所だと思うのだが。コイツの元気いっぱいなテンションに対して、うっとおしい気持ちとそこは変わらなくてよかったという安心感を感じる。
「りゅうくん!」
竜輝の話の途中、部屋の外の廊下から母親が呼びかけてきたので、竜輝共々うわっと情けない驚きの声をあげてしまった。でもよかった、キスしてる所じゃなくて。
「どうしたのおかん」
「りゅうくんのお母さん迎えに来ているわよ」
「え、もうそんな時間?!」
気が付けば時計は18時過ぎを指していた。思った以上にコイツと一緒にいたなんて。でもしんどさとかは感じなかったな……。
「れんくん帰るね。続きはレインで!」
「ほいほい。すまんな長い事」
「謝らないでよ、れんくんの顔が見れてよかった!」
去っていく竜輝の広い背中を見て俺は、こいつとキスしたんだな……と振り返ったのだった。



