「……れんく~ん……もしも~し?」
「……ああ……?」
「れんくん、起きて! 起きてって!」
「! うわあっ!」

 気が付いたら俺の部屋に制服姿の竜輝がいたので、俺はその場で飛び起きてしまった。

「おちついて、急に起き上がったらめまいするよ」
「いや、お前が言うなし……てか部活は大丈夫なのか?」
「顧問の先生と忍さんから許可貰ったから大丈夫」

 忍は許可出しそうだけど顧問の先生からもちゃんと許可貰えたのか。意外。

「それならまあ……いっか」
「で、れんくんのお母さんから入ってって言われたから来た」

 おかんもお人よしだなあ。相手が竜輝だからかもしんないけど。

「それでれんくん今熱は?」
「測ってみる」

 体温計で熱を測ってみると、37.6度と表示された。結構下がったと言う事は薬が効いているんだろう。

「下がってるわ」
「よかった。明日学校行けるかもね」
「だといいんだけど」
「あ、そうだ。これお見舞いに持って来たんだけど、れんくんに渡そうと思って」

 竜輝が学校指定のカバンから取り出したのは、ビニール袋に入ったみかんだった。