『れんくん大丈夫? ゆっくり休んでね』

 まるで定型文みたいなメッセージだな……と思いつつもちゃんと連絡が行っている事が判明したのにはほっとした。

「ま、スタンプでいっか……」

 グーサインのクマキャラクターなスタンプを適当に選んで押して、画面を消してから目をつむる。

「寝よ……」

 その後。俺が再び目を覚ましたのは昼過ぎ。母親がお昼作ったからと言ってまた俺を起こしに来てくれたので、重たい身体を動かしてリビングへ降りる。

「うどんか……?」
 
 食卓に置かれたうどんはただのうどんではなく、卵あんかけの乗ったいつもより豪華なうどんだった。見ているだけで食欲がわいてくる。

「あんた熱があるからカレーライスとかはだめでしょ?」
「確かに……いただきます」

 ずるっと数本すすって口に入れると、卵の優しい味わいとだしの濃い味がうまい事合わさっていて美味しい。これは食欲ない時でも食べられそうだ。しかも白菜と白ネギも入っているのでちゃんと野菜も取れる。 
 なんだかんだで完食した俺は流れていたテレビに目線を向けると、バラエティー番組が放映されていた。

「あの俳優さん2人かわいいわよねえ」
「まあ……確かに」
「今かかっているBLドラマの主演ですって」
「び、びーー……?」

 俺は思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになってしまった。