頭をぐしゃぐしゃとかきむしって大きな声で叫んでも、このぐちゃぐちゃした感情が消える事はない。
 一度は俺の所から消えたやつが、キスしようなんてそんな事あり得ない。でもあり得ないはずだと考えてたのに起きてしまった。俺はどうしたらよかったんだ?

 あのまま竜輝からのキスを受け入れたらよかった。でも怖さを隠してまでアイツを受け入れるなんて事、怖くて俺にはできない。

「も~……どうすりゃいいんだ……」

 ごろごろと横向きに転がり、悶々とした感情から解放されたくて逃げようとしても無駄だった。結局俺はそのまま寝られずに夜明けを迎える事になる。

「……ふわあ……」

 燃え盛るような光を放つ太陽が、地平線から顔をのぞかせている。もうそんな時間が経ったのかと思いながらトイレに行こうとベッドから起き上がった瞬間、頭ががんがんと痛み出した。

「っいってええ……」

 しかも頭痛だけでなく身体も重くて動かすのがだるすぎる。